私たちは、ライフシフトを「自分の機軸に合わせて、人生を選択すること」と定義しています。
それは、具体的にはどういうことを意味するのか、どういう考え方や行動をとることによって実現するのか。

ここでは、その構成要件を「ライフシフト10か条」としてまとめてみました。

私たちがこれから皆さんに提供・創造していく機会やサービスの開発においては、この要件を大切にしていきたいと思います。

また、皆さんと出会っていくプロセスでの気づきを踏まえて、この要件は順次更新していく予定です。

❶ Ownership

自分の人生の主人公は自分であると自覚していること

一人ひとりの人生は、その人自身のためにあります。自分が何をするかは、自分が決めることです。親が決めるのでも、会社が決めるのでもありません。「若いうちは」とか「いい歳して」といった年齢規範や、「男らしく/女らしく」といった性役割意識に縛られるものでもありません。これまで生きてきた足跡に規定されるものでもありません。

自分が思うように、やりたいように、ありたいように生きること。そうしたオーナーシップを持つことが、ライフシフトを実現する大前提です。

❷ Life Theme

その時々の自分のライフテーマを追求していること

誰にも、大切にしたいことがあります。自分の夢を実現すること、やりたいことに没頭すること、心に引っかかって仕方がない社会の出来事や誰かのために何かをすること、かけがいのない家族との時間を確保すること……。しかし、大切なことがあっても、そのことに一生懸命になれていない人が、残念ながらたくさんいます。また、大切なことは、時とともに変わってもいきます。

その時々の自分のライフテーマに向き合い、何かを新しく始める、何かを大きく変える。それがライフシフトの基本姿勢です。

❸ Just Do It

人生に起きる変化を楽しんで、ことを起こしていること

人生は、予期せぬことの連続です。思わぬ出来事や転機が次々と訪れます。多くの人は、そうした変化を避けようとします。いまの自分が失われることを恐れます。しかし、自分が自覚している自己とは、その人の可能性の一部にすぎません。何歳になろうとも、人は新たな自分を発見することができるのです。

変化を新たな自分を発見するチャンスと捉え、積極的にかかわる好奇心をもつ。そしてとにかく行動する。何度でも試行錯誤する。そんな姿勢がライフシフトには欠かせません。

❹ Learnability

どんなことからも学んでいること

「学ぶ」という言葉は、やや堅苦しい印象を持たれがちです。大学に通ったり、資格を取るような行動を想起する人もいるかもしれません。ですが、学びとはそうした形式的な場に身を置くことばかりではありません。本を読むこと、ググること、詳しい人の話を聞くことも学びです。そして、仕事の中でも、家庭においても、友人との会話の中からも、いつ、どんなきっかけからも学ぶことはできます。

自ら学ぶ習慣を持っている人は、変化を楽しめる人でもあります。学びは、ライフシフトのインフラです。

❺ Unlearnability

学んだことを捨てられる勇気を持っていること

変化するときには、ものの考え方ややりかたを改めることが必要です。これまで学び、身につけてきた知識やスタイルにこだわっていては、変化に適応できなくなってしまいます。過去に培ってきたものをリセットすることが求められます。それは簡単なことではありません。高い成果を上げてきた人であればなおさらのことです。しかし、そのためらいや抵抗は、自身の新たな可能性が開花する機会を奪ってしまいます。

これまでの自分の何かを捨てる勇気を持つこと。アンラーニングはライフシフトの必要条件です。

❻ Uniqueness

みんなと同じじゃなくても平気なこと

人と違うことをしたら怒られた……そんな経験を持っている人は少なくありません。学校では、みんなと同じようにすることが大切だと教えられたかもしれません。しかし、みんなが同じような生き方をして幸せになる時代は過ぎました。ライフシフトのあり方は人それぞれ。誰ひとりとして同じシフトはありません。前例のないチャレンジです。だから、ひとと同じにはなりません。

みんなと同じじゃなくても平気なこと、自分ならではのユニークネスを追求できることは、ライフシフトの重要なマインドセットです。

❼ Multi Community

3つ以上のコミュニティに所属していること

自らの力だけで人生を設計し、シフトしていく。そんなセルフプロデュース能力の高い人はほんのわずかしかいません。多くの人は、ある出来事や人との出会いから新たなライフテーマを見つけ、背中を押されるようにシフトを始めます。そして、そのきっかけは、仕事に関連したものに限りません。勉強会仲間や遊び仲間との対話を通してだったり、複業や地域での活動が起点となったりするのです。

家庭、仕事場以外の第三、第四のコミュニティが、ライフシフトの機会をもたらすパイプラインとなるのです。

❽ Seamless

有意義に公私混同していること

社外の勉強会や本で学んだことを仕事で活かすのは、誰しもがやっている当たり前のことです。では、遊びや社会活動で学んだり、気づいたことを仕事に活かしたり、仕事で得た知識や技術を家庭や社会活動に活かす、というのはどうでしょう。100年ライフでは、働くことと学ぶこと、遊ぶこと、社会で活動することの境界線がどんどんとなくなっていきます。

生活に起きるあらゆることの相互作用によって、ひとは新たな自分を発見し、個性を紡ぎあげていくようになります。有意義に公私混同は、ライフシフトの起爆剤です。

❾ Invisible Assets

「見えない資産」を大切にしていること

人生のオーナーシップを持つには、自分を知っていることがなんといっても大切です。これまでの人生や仕事経験を通して、自分はどのような志向や価値観や能力を持っているのか。これまでどんなコミュニティに所属し、そこで自分は何を学び、どう変わったか。どんな人たちとのつながりを持っていて、その人たちからどのような影響を受け、これからどんなかかわりを持てるのか。

お金や不動産のような見える資産だけではなく、こうした「見えない資産」を自覚し、大切にすることが、ライフシフトの動力になるのです。

➓ Time Management

自身の人生時間を自分でマネジメントしていること

人生のオーナーシップを持つうえでは、時間との付き合い方が重要になります。他者の命じるままにではなく、自らが時間の番人になることが大切です。何時から何時まで働くか。一週間の時間を、仕事と睡眠以外に何に充てるか。家族との時間をどれぐらい確保するか。この一年間に、どんなことにチャレンジしていくか……。

100年ライフというとても長い時間、しかして有限であり二度と戻ることのない時間。生活時間をいかにセルフマネジメントできるかが、ライフシフトを実現する生命線です。

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