ライフシフト・ジャパンでは、ライフシフターの生の声を直接聞いて交流できるイベント「LIFE SHIFT LIVE」第3回を2018年8月2日(水)に開催しました。(告知ページはこちら
今回のテーマは副業・兼業。ゲストはフリーランスとして活躍しながら、ライフワークとして「自然の中ではたらく」をテーマにしたカンターキャラバンジャパンを運営する並木渉さん(32歳)、美緒さん(31歳)ご夫婦。
そしてスペシャルゲストとして、事業やブランドにまつわる共創プラットフォームである株式会社サインコサイン代表であり、新時代の働き方を追求する注目のクリエイター、加来幸樹さん(35歳)をお迎えしました。

今回の会場はシェアオフィスWeWork Shimbashiの共有スペース。設置されているフリーのビールサーバーから自由にビールが飲めるという贅沢なスペースで、カジュアルな雰囲気の中の開催となりました。クロストーク後のネットワーキング(フリートーク)の時間では自由に飲みながら、ライフシフター、参加者ともに積極的に意見交換をしていました。

変化を楽しむことがライフシフトの基本

まずは今回も、ライフシフト・ジャパン代表の安藤哲也から自身のライフシフトについて、また、人生100年時代を生きるために大切なことをお話しさせていただきました。

安藤
私自身、仕事と子育ての両立などに悩んだ時期がありましたが、その都度、転職したり、子育て支援の副業を始めたりと様々なライフシフトをしてきました。
自分に起きた変化をポジティブにとらえて、楽しむ。その上で、状況に合わせて自分でライフをデザインすることが“ライフシフト”だと思っています。

二人三脚。パートナーと一緒にライフシフト

続いて今回のゲスト並木渉さん、美緒さんご夫婦が登壇。
お二人が運営するカンターキャラバンは、「はたらくに余白を」をテーマに、オフィス仕様に改装したキャンピングトレーラーを自然豊かなところで開放し、「自分たちだけの贅沢な時間」を過ごしてもらうサービスを提供しています。
美緒さんの4回の流産・病気を経て、病気や家庭環境の変化などつらい思いをしている人がいること、そういった人やパートナー・家族はキャリアをあきらめなければいけない社会であることに気が付いたことがライフシフトのきっかけとなり、今の活動につながっているそうです。今回は、ライフシフトの経緯からご夫婦の関係性の話まで、包み隠さずお話しいただきました。
🔗並木さんのライフシフターインタビュー記事はこちら

渉さん
カンターキャラバンは立ち上げたばかり。フリーランス(本業)での仕事での収入があるからこそ、この活動ができています。また、本業でのビジネスコネクションから、カンターキャラバンをご利用いただいたり、次につながることもあります。
実は、今日、モデレーターをされている佐藤さんにもご利用いただいたりして(笑)、本業を持ち続けることはこういった意味でとても意味のあることだと思います。

美緒さん
体調を崩し専業主婦をしていた時は、夫との関係性もよくありませんでした。自分はずっと家にいて、夫は転職してイキイキしている。正直、うらやましかったです。そんな時は、喧嘩も含め、とにかくコミュニケーションをとりました。
コミュニケーションをとる中で、お互いの気持ちや考えを理解し合うことができ、現在、一緒に仕事をするところにまでつながっています。一緒に仕事をしてもしなくても、パートナーとコミュニケーションを沢山とることは、ライフシフトする上でとても大切だと思います。

“30 分”のタイムチケット活動から始まった

続いて、スペシャルゲストの加来幸樹(かくこうき)さんのプレゼンテーションです。
加来さんは、インターネット広告会社の株式会社セプテーニに入社後、クリエイティブディレクターとして第一線で活躍されている中、「このままで良いのか」という社会人10年目の壁にぶつかったこと、また東日本大震災などもきっかけとなり、NPO広告に携わるなど模索を繰り返し、2014年から、個人の時間を30分単位で売り買いするサービス「タイムチケット」にて、ネーミングを考えるサービスを提供し始めました。この活動での気づきや経験を元に、広告主から依頼を受けてクリエイターが作るというこれまでの一方方向の広告の作り方の枠を超え、広告主やユーザーなども巻き込んだ広告制作をする活動を開始。
2018年には、株式会社サインコサインを立ち上げ、現在、代表取締役CEOとして、枠にとらわれないブランディング・マーケティング支援や人材育成支援などを提供する一方、フリーランスとして引き続きタイムチケットなどでも活躍されています。

加来さん
タイムチケットで提供していたサービスは、ネーミングを考えるというものでした。好評で、有名な商品やサービスに使われたこともあり、自分に自信が持てたし、人との出会いもどんどん増えていきました。
ただ、良い評価をいただけたのは、ネーミングそのものや私のスキルというよりも、『依頼主も巻き込んで一緒に考える時間を提供した』ことだと気が付きました。この気づき、ひらめきが現在の活動に直接つながっています。

疑問や不安を直接聞けるクロストークタイム


続いてゲストと参加者のみなさんが直接話す「クロストークタイム」。
今回はテーマが副業・兼業ということもあり、ライフシフトや副業を検討されている方のほか、すでにフリーランスとして活躍されている方なども参加され、ライフシフターへ質問をするだけでなく、自分の経験を会場へシェアするといった場面も見られました。
以下、一部をご紹介します。

Q.副業をしたいと思ったとき、どんな基準でやることを選ぶべき?

渉さん
スキルを活かしたこと、好きなこと、どちらでも副業はよいと思います。メインの仕事があるからこそチャレンジできることもあるので。それよりも、とにかく、続けることだと思います。そのためには、副業をする動機をしっかり持つことが大切です。

加来さん
私は、好きなことを選ぶというのが基本だと思っています。直感も大切で、リスクのない堅実 なことをするよりも、少しチャレンジするほうがうまくいくのではないでしょうか。

Q.メンターになるような人はいますか?また、どんな相談をしていますか?

美緒さん
利用している起業支援会社の方に勇気づけられています。事業がなかなかうまくいかない時に、どうするべきかなど相談しています。あとはやっぱり、二人で一緒に仕事をしているので、夫が一番の相談相手ですね。

渉さん
この企業支援会社の方は、相談した時に、私たちのやり方を否定も肯定もしないんです。新しいことを始めようとする時、否定する人は本当に多いです。メンターを探すならば、否定したり、自分のやり方を押し付けたり、自分の話ばかりする人は避けたほうが良いと思います。

加来さん
私は特定の人というより、たくさんの人に自分の話をして、その反応から新しい発見をするということが多いです。例えば、会社の昔の同期や、一緒に働いていたパートナー会社の人。仕事の詳細まで知らない奥さんにもたまに話をして、新しい視点からの意見をもらっています。

Q.限られた時間の中で、タスクをどうコントロールしていますか?

渉さん
フリーランスだからこそ、できるかできないかわからない仕事は引き受けないようにしていま す。あとは、イニシアティブを自分でとって、こちらからスケジュールをきることも大切だと思い ます。

加来さん
飲みに行くなどの予定を入れて、働く時間を決めてから、その中で終わらせるようにしています。やらなくてよいことをどんどん捨てていくことも大切です。自分がやらない仕事は誰かやれる人に回っていく。そう世の中はなっているものと思っています。

LIFESHIFT LIVEを振り返って

最後に、本日のモデレーターであり、ライフシフト・ジャパン執行役員の佐藤邦彦より一言。

佐藤
登壇者の2組の話を聞いていて印象的だったのは「自分の意志で決めて、行動している」という点でした。
副業・兼業はホットなテーマですが、「これからの日本では兼業しなければ食べていけない」そうした”ねばならない”という論調がメディアでは散見されますが、LiVE会場にそのような言葉は1つも出てきません。だからこそ、好きなことや得意なこと、大切にしたいことを軸にして、壁にぶつかろうとも行動しながら学び、次に活かしていけるのだなと。
アンケートからも”自分らしく楽しく働く時代を、自分で切り拓くことが大事!”という気づきを得たとコメント頂いています。まさに、この2組のスタンスから学ぶことは非常に多いと思いました。

 


今後も「LIFESHIFTLIVE」は月1回のペースで開催していきます。次回は8月28日(火)19:00~「地方移住のリアル、地方創生のイマ」です。
地方創生に取り組む20代・30代のライフシフターが登壇します。詳しくはこちらをご覧ください。