ライフシフトの法則

人生100年時代。この言葉を耳にして、あなたはどう感じますか。
ワクワクするでしょうか。それとも、どんよりしてしまうでしょうか。
ライフシフト。この言葉はどうでしょう。どんなことを頭に思い浮かべますか。
転職や独立、移住のことを思い浮かべる人がいるかもしれません。
そうした形ある変化がライフシフトにつながることもあるでしょう。
ライフシフトなんて、自分とは関係ないことだ、と思う人がいるかもしれません。
でも、そんなことはありません。ライフシフトは誰にとっても大切なもの。

人生の主人公として『100年ライフ』を楽しむこと

それが、ライフシフトです。私たち誰もが、今もライフシフトの旅をしているのです。

ライフシフトの旅は一人ひとりそれぞれ。実に多彩です。
ですが、そのプロセスには、多くの共通点があります。
誰もが同じようなステージを通り、同じような気づきを得ています。
それが「ライフシフトの法則」です。

第1法則 5つのステージを通る
第2法則 旅の仲間と交わる
第3法則 自分の価値軸に気づく
第4法則 変身資産を活かす

 

第1法則 5つのステージを通る

ひとつめの法則は、「5つのステージを通る」です。
このままでいいのか、何かおかしい、と「心が騒ぐ」ステージ。
目的地は定かではないけど、何かをやってみようと「旅に出る」ステージ。
自分が大切にしたいものに気づく「自分と出会う」ステージ。
目的地を目指して、インプットや試行錯誤を重ねる「学びつくす」ステージ。
そして、過去を活かし、過去を捨てて新たな自分になる、「主人公になる」ステージ。

ライフシフトの旅は、終わりがありません。
こうしたサイクルを何度となく重ねながら、100年ライフを楽しんでいくのです。

 

第2法則 旅の仲間と交わる

ふたつめの法則は、「旅の仲間と交わる」です。
ライフシフトの旅には、さまざまな旅の仲間が登場します。
主人公に、自分が大切にしたいものを気づかせてくれる「使者」。
目的地を目指して一緒に旅をしていく「ともだち」。
前に進むために力を貸してくれる「支援者」。
ものの考え方やあるべき姿を説いてくれる「」。
未来の社会や目指すべき生き方を唱える「預言者」。
目的地にたどり着くヒントやアイデアをもたらしてくれる「寄贈者」。
前に進もうとするときに、その想いや意思の強さを問う「門番」。

人は、ひとりでは主人公にはなれません。
こうした「旅の仲間」がいることで、人生の主人公になることができるのです。

 

第3法則 自分の価値軸に気づく

みっつめの法則は、「自分の価値軸に気づく」です。
人生にはさまざまな変化が起こります。転機が訪れます。
自分が大切にしていることが、価値軸が変わっていきます。
そうした自分の中の変化に、あるとき人は気づきます。
価値軸は人それぞれ。
誰かのために役に立ちたい、何かに関わりたい、という「社会価値」。
自分の志向や価値観、能力などを活かしたい、という「個性価値」。
生きていくうえで大切なことを起点にしたい、という「生活価値」。
この三つの視点が絡み合い、その人ならではの価値軸が浮かび上がります。

これまで大切にしてきた価値軸を手放し、
新たに大切にしたい価値軸を自分のものにすること。
それが、ライフシフトのサイクルなのです。

社会価値

社会に貢献     
社会の役に立ちたい、という貢献意識

誰かのために    
誰かを助けたい、生き生きとさせたい、という利他の意識

社会を変えたい   
社会課題に関する憤りや当事者意識

気になるテーマで    
特定テーマへの興味や関心

地域のために    
特定の場所、地域への興味・関心や貢献意識

何かを生み出す   
社会に新たな価値を提供したいという意識

個性価値

自分らしく     
自身が大切にしている価値観とフィットしたことに携わりたいという志向

夢中になれる    
自身の心の中にある動機・欲求とフィットしたことに携わりたいという志向

経験と能力を活かす 
これまでの経験や培った能力を発揮したいという志向

自分の裁量で     
自律的に、裁量をもってことを進めたいという志向

責任を果たす    
積極的に役割・責任を果たしたいという志向

仲間とともに    
人々との協働や共棲を大切にしたいという志向

生活価値

家族とともに    
パートナーや子どもとの時間を大切にしたいという考え方

仕事も生活も    
働く以外のライフテーマと仕事との両立を果たしたいという考え方

好きな場所で    
自身にとって快適な地域・空間で生活したいという考え方

自分の時間     
自分ひとりの時間を大切にしたいという考え方

心穏やかに    
暮らしの安定、心の安らかさを大切にしたいという考え方

地球にやさしく    
地球環境にやさしく、持続可能な暮らしをしたいという考え方

 

第4法則 変身資産を活かす

よっつめの法則は、「変身資産を活かす」です。
ライフシフトの旅は、山あり谷あり。変化の連続。旅の状況はクルクル変わります。
トントン拍子に次のステージに進める、というときもありますが、
どこかのステージに止まってしまったり、前のステージに戻ってしまう、というときも。

そんな旅を楽しむカギになるのが変身資産です。
それは、自分の中にある、変化の時代を旅するための「見えない資産」。
ライフシフトの旅を前に進ませる心のアクセルとなるものです。
人は、自分の中にある変身資産を活かして、次なるステージを呼び寄せ、
次のステージへと歩を進める中で変身資産をさらに増やしていくのです。

しかし、旅の歩みを止めてしまうマイナスの変身資産もあります。
変化することに心のブレーキをかけてしまい、
『100年ライフ』を楽しむことができなくなってしまうのです。

人は、自分ならではの心のアクセルを折々に活かしたり、
心のブレーキを手放したり、うまく折り合いをつけたり、時には
その心のブレーキを活かして旅のスピードを緩めたりしながら、
ライフシフトの旅を続けていくのです。

心のアクセル10

内なる変化を察知する

1.違和感センサー

変化や課題への拓かれた眼と心

2.社会へのまなざし

過去と決別して新たな道へ

3.旅立つ勇気

大きなシフトも最初は小さな行動から

4.スモールステップ

自分流の学び方を身に着けている

5.学びのひきだし

自分を見つめる内省の習慣

6.自己との対話

志向や行動のクセをわかっている

7.自分らしさの自覚

人やコミュニティとの豊かで多様なつながり

8.マルチリレーション

『人生100年時代』にワクワクする

9.未来への期待

未来の自分を信じている

10.自己への信頼

 

心のブレーキ10

未来に蓋をしてしまう

1.年齢バイアス

失いたくない 手放したくない

2.ノットリリース

うまくいかなかったらどうしよう

3.失敗する恐怖

ぶつかりを恐れて口を閉ざしてしまう

4.対立からの逃避

誰かのために 組織のために

5.過度な自己犠牲

わきまえすぎ 空気を読みすぎ

6.集団への同調

こだわりや緻密さの行き過ぎ

7.完璧への執着

褒められるためには何だってする

8.承認欲求の目的化

前例は? 正解は?

9.マニュアル依存

決定は人任せ 結果は誰かのせい

10.人生の委任