Session Ⅴ「“我が-まま”セントリック」分科会 |KX カイシャ・トランスフォーメーション ~人生100年時代の“会社”を創造する10のセッション~ 

Session Ⅴ 「“我が-まま”セントリック」分科会 

at 2022/2/22

on Zoom Webinars 

 

人生100年時代にふさわしい「人と会社の新しい関係」の探索・提言を行っている「カイシャの未来研究会2025」(主査/ライフシフト・ジャパン代表取締役CEO大野誠一)は、2022年1月20日より、『KXカイシャ・トランスフォーメーション~人生100年時代の“会社”を創造する10のセッション』を実施しました。

これは「カイシャの未来研究会2025」が2018年末の発足以来、3年間にわたって探究してきたKX(カイシャ・トランスフォーメーション)のビジョンを体系化し、昭和の経営モデルから脱却できない日本の“カイシャ”の変革に広く適用できるモデルの創造を目指して行ったものです。

セッションは全10回。分科会でのディスカッションも、モデルを言語化・体系化していく編集会議も、すべて公開形式で進めていきました。

このSession Ⅴでは、KXを実現する5つのコンセプトのひとつ、「我がままセントリック」の分科会ディスカッションを行いました。

 

【メインスピーカー】

島田由香氏(ユニリーバ・ジャパン) 

野田稔氏(明治大学)

【ホスト】

大野誠一(ライフシフト・ジャパン)

豊田義博(ライフシフト・ジャパン)

 

当事者意識をもった仲間が集っているという手応え

大野)皆さんこんにちは、ライフシフト・ジャパンの大野です。KXカイシャ・トランスフォーメーション、セッション5ですね。人生100年時代の会社を創る10のセッション、中盤を迎えておりますが、今日第5回目セッション5,今日のゲストスピーカーはユニリーバ・ジャパンの島田由香さんです。まずレギュラーメンバーをご紹介したいと思います。ライフシフト・ジャパン取締役の豊田です。よろしくお願いします。

豊田)よろしくお願いします。

大野)そしてレギュラースピーカーの、明治大学大学院の野田先生です。よろしくお願いします。

野田)よろしくお願いします。

大野)いよいよ中盤に入ってまいりました。第5回ということで、これまでの振り返りを簡単にしたいと思います。前回第4回は、リクルートのHR統括編集長の藤井薫さんと、ニューホライズンコレクティブ、電通が作った非常に新しい、社会実験ともいわれる、230人の方が電通を退職して業務委託契約を結ぶという新しいトライにチャレンジしている代表の野澤友宏さんに来ていただいて、つながりリ・デザイン、人との繋がり、それこそが会社だよねと。会社というのはバーチャルなもので、人とのつながりが大事だよね、というようなことを語り合っていただいたわけですが、このシリーズ毎回、皆勤賞で参加いただいているような方もだいぶ増えていまして、熱いコメントもいただいているんですが、前回のアンケートでこんなコメントもいただいています。カイシャという場の本質、個の尊重、孤独…孤独力なんて言葉も前回出てきましたけれども、つながり(縁)、ジョブ型のインパクトなど多くの気づきがありました。ジョブ型という言葉に惑わされていました。

野田)結構ぼろくそ言ったからね、ジョブ型。

大野)ジョブ型幻想ってありますよね、今。まあちょっと冷静に考えようよと。もっとつながりそのもののほうがよっぽど大事だよねというような会話も前回出ていたと思いますし、ニューホライズンの取り組みがすごくイノベーションのきっかけになるんじゃないかみたいな意見もいただいて。230人が電通という立場離れたんだけど、すごく仕事が楽しくなって生活が充実していますということで、こういうところが大事だなということも実感として感じられたかなと思います。そして、自分自身が長く大事だと思ってきた、ジョブ型とかエンゲージメント、縁みたいな言葉がいっぱい出てきて嬉しかったです、というコメントもいただきました。それから、つながりレスが自蛾を生む。つながりを広げるには感謝、アイディアもつながりの循環して行く、すごく本当そう思いましたよ、というコメントもいただきました。それから社内と社外、社内外のつながりの価値、自在っていうことが…自在は今日の我がままにもつながるかと思うんですけど、こういう感覚があって。まだまだここ本当に日本遅れているよね、取り組み本当に始まってないよねっていうことで危機感感じていますっていう。まあ中小企業、中堅企業などで実装モデル、ぜひ期待していますよってことで。今回のこのシリーズはこのカイシャ・トランスフォーメーション、会社を変えていくものをいかに実装モデル作るかっていうことが一番大きなテーマですから、この議論を4月まで続けていきたいなと思います。そしてまあ課題先進国と叫ばれて久しい日本だけども、いろいろこの場から、新しい動きが出たら嬉しいなあと。一番僕が嬉しいなあと思うのは微力ながらそこに貢献もし、他に触媒のように広げていきたいと思っています、こういう人に参加していただいている方々が当事者意識を持ってこの場に来ていただけるというのが、非常にうれしいなあと思います。

野田)聞いているだけじゃないっていいですね。

大野)そうですよね。そしてこのグラレコ曼荼羅も、真ん中を過ぎてですね4枚になると。

豊田)そうですね、どんどん増えてきましたね。

 

大野)野田さん豊田さん、それぞれこの前の第4回振り返ってみていかがでしたか。 

野田)何て言ったらいいのかな、似たような匂いというか香りというか、を感じ始めているんですよ。どこの回でも似たようなその感覚になるんですね、話をすると。多分これがKX後の会社の匂いなのかな、っていうふうに感じ始めていてですね。まだ言語化できてないんですけれども…こう軽やかだけれども温かくて、でいながらピリッとこう向かうぞっていう強さがあって、みたいな。なんかそういうテイストが僕は自分の中で 出始めてますね。

大野)なるほど。豊田さんいかがですか。

豊田)はい、私は、さっき大野さんが何度も来られている方がいるとおっしゃっていた話につながるんですけれども、毎回最後にアンケートを取らせていただく中で、チェックボックスを入れていただく中に、このモデルができたら実験してみたい、っていうチェックボックスに、決して多くではないですけど実は毎回二割から三割ぐらいのかたがそこにチェックを入れてくださってるんですね。このKXの10のセッションはもちろん10のセッションやりきって最後にこうやることが一つのあのゴールですけども、多分そこからいろんなことが始まるなというふうに思っていて、そうした時に我々の活動をご一緒していただけるような人が着実に集まっているな、という、非常に嬉しい手ごたえを持っています。

 

我がままのベースは、自分をしっかりと持つこと

大野)はい、ということでですね、今日いよいよセッション5でございます。この、イントネーションが今日大事なんですね。我がまま。

野田)我がままセントリック、ですね。リピートアフターミー?OK?

大野)我がまま、ですね。この言葉はですね、昨年7月にライフシフトジャパン主催で開催をしたオープンフォーラムの場で、今日ゲストのユニリーバの島田さんが発言された言葉がこの我がまま、ですね。これについて議論して行きたいと思いますので、今日は島田さんにお越しいただいています。島田さんちょっと画面をオンにしていただいて、 はい、今日よろしくお願いいたします。

島田)よろしくお願いいたします。聞いてて笑っちゃった。ははは。

豊田)正しい発音をちょっと島田さんにまずしていただくのが良いんですか。

島田)わかんなくなってきちゃった(笑)えっと「わ」がままです。我がまま。

野田)頭にイントネーション、我がままセントリックね。はい、いいですか皆さんやってください、はい。我がまま。オーケー。

島田) 何かの宣伝みたい(笑)

大野) はいじゃあ今日はこのメンバーで進めていきたいと思います。よろしくお願いします。

島田)よろしくお願いします。

 

豊田)最初にあの前回の7月7日、もちろんお越しいただいた方も一部いると思うんですけど皆さんご存知ない、で、我がままって、もちろんそれがすごく大切な事もわかるんだけど、島田さんの言葉でこの我がままって、いかにひとりひとりにとって大切なのか、島田さん多分すごく実感を持っておっしゃっていただいたと思うので、まず島田さんにこの言葉を少しもうちょっと豊かに、島田さんなりの文脈で語っていただいていいですか。

島田)はい、ありがとうございます。ひらがなでなのかカタカナでなのかは別にしても、わがままって書くとだいたいそのselfishって言われるような、ワガママ。ワガママ言うなとか、そこから人に迷惑をかけるみたいな、そういう思考の方に行くことがおそらく常かなと思うんですよね。なんとなくそのわがままっていうこの言葉を見たり聞くと、よくないことっていう。

野田)ネガティブですね

島田)っていうのがあるなあっていうのはずっと思っていたんですけれども、でも一方で、言い方が違うんだけど、自分らしくあるとか、自分のままでいる、ありのままですよね。それってすごく大切なことで、いわゆるワガママだよねあの人っていうselfishと、それからその自分らしくあるっていうオーセンティックていうんですか、これはじゃあどう違うんだろうということも自分もすごく考えてきていての、この言葉なんですね。その時にイントネーション頭に置きますね、先生からリピートアフターミーってやってくれてましたけど、その「我」ですよね、漢字であえて言うなら「我」、我がまま、私がままっていう。自分っていうものをしっかりと持つ。さっき自在って言葉がありましたけれども、きっと共通するし、あと自立という言葉、これも漢字が二つあるけど両方とも含んで関係すると思うし、素のままありのままこのようなことを含めて我がままっていう風に言ってます。実は英語でselfishっていうのも実は両方かかってくるんですね。selfが在るっていうことだから。だから必ずしもselfishが悪いわけでもあないと思うので。

 

自分も相手も我がままでいられる、とは

野田)多分ね、我がままでいようとしたときに、自分が我がままでいると、他者が我がままで居られなくなっちゃうような我がままは、ワガママなんだと思うんだよ。

島田)おおー(拍手)。そうですよね。

野田)だから自分も我がままだし相手も我がままでいられるような関係性の場合に、それはウィンウィンだからすごくいいんだけど、自分がわがままで言おうとすると相手がめちゃめちゃ我慢しなきゃならなかったり、したくも無いことやんなきゃなんなかったりする時に、それはお前ワガママだろうっていうことじゃないか…それ一つあるんじゃないかな。

島田)そうですね。だからそれはやっぱりD&Iみたいなところも絶対関わってくるから、やっぱり自分が自分であるっていうことは、自分をしっかり持つのと同時に、相手がそうであるってことの尊敬と尊重、お互いにやっぱりしっかりし合うっていう世界じゃないと難しいですよね。

野田)さらに言うとね、その例えば 100、僕がその我がままで行こうとしたとしましょうか。ところがその100やろうとすると、島田さんが自分が我がままでいようとするのを50に抑えなきゃいけない、50我慢しなきゃなかったとしますね。ところが、僕がその100の中の2だけ我慢すると島田さんは50も我慢しなくてよかった、という時にあえて50我慢させて自分の2キープするぐらいだったら、2ちょっと諦めて相手の50をとった方が全体最適になるでしょう。全体のその我がまま度の総和が高いじゃない。100+50だと150だけども98+100だったらば198じゃん。というように、僕が我がままではあるけれど、自分にとってそうクリティカルでないものをちょっと我慢することによって全体最適にするんだったら、それをした方がむしろ良いっていう我がままもあるかなと思うんだね。100%全部自分のままでなきゃいけないっていうのは、ちょっとなんか、それこそワガママかなと思って。

島田)今先生の話をきいててすごいそうだなって思ったのは、もし例えばさっきみたいな状態だったとするじゃないですか、先生が100我がままだったときに私は50だったってした時に、じゃあ自分はどうするかっていったら、言いますね。先生それだと私50だ、って。このやっぱ表現するっていうことが私はすごくこの日本の教育とか、日本の社会の中にいる傾向が強い人は、本当に表現しないって感じていて。

野田)ボイスね、ボイス重要だね。

島田)自分はいま50で 困ってるんだとか、あんまり心地がよくないんだとか、本当は少なくとも80ぐらいになりたいんだとかっていうのを、やっぱり言う。そしたらきっと先生はああ、って言って、じゃあこうしようかって。

野田)わかったわかった、それならば俺そんなに苦労しなくてできるからいいよ、それぐらいだってやるよ、っていうことだよね。言ってもらわなきゃわかんないってのはたしかにあるから、それボイスだよね。ちゃんと声を上げるっていうことが、お互いの我がままの総和を最大化するための一つの条件だな。更に言うと、変な話だけど、言い方の問題ってあるよね。

島田)あるある。

 

オルフェウスオーケストラに見るミューチュアルレスペクト

野田)あのオルフェウスオーケストラってあるでしょう、指揮者のいないことで有名で、そこの練習風景のビデオがあるんですよ。僕これよく教材に使うんですけど、その中で お互いに、相手の演奏にもうバンバン言い合うわけ。お前の演奏そこはちょっとダメだったとかあそこが、とか、すごい言いあうわけ。こんなこと言われたら俺だったら怒り狂うだろうと思うようなことを平気で言うんだけど、まずお互いに信頼感があるっていうのがすごく重要で、お互いにミューチュアルレスペクトなんだって。でもそのミューチュアルレスペクトの上に立って、話の仕方がすっごく…あの例えばwould you mind to considerみたいな言い方するの。こういうことをご配慮いただいてもよろしゅうございますでしょうか、みたいな英語で喋るんです。すごいなあと。アメリカ人がこんな喋り方するの初めてだと思うぐらい、すごく気を使うのねお互いに。でも言うことは言ってるんだよ。言ってることはえぐいんだけど、言い方はめちゃめちゃ相手をレスペクトして、大切にしている。 

島田)それは大事ですよ。だからやっぱりこう表現しながらきちんと対話ができる。やっぱりそこには相手の尊敬と尊重が含まれていると思うんですよね。でもさっき先生おっしゃったやっぱりお互いがプロだから、例えば相手の楽器はお相手がプロで自分は弾けないと、でも自分の楽器は自分がプロでまあ自分がやれるんだと。それぞれのプロとしてなったときに、この全員が協力して素晴らしい音色を奏でていくわけだから、その意味ではお互いが本当に主張しつつ、でもこう何ていうかミューチュアルにいろんなこと試し合うわけですよね。だからそこは我慢じゃなくて、例えば工夫とか妥協はあるかもしれないけど、工夫とか配慮とか、それがもっともっとされるといいですよね、日々の。

野田)今の島田さんがおっしゃったところで、そのオルフェウスオーケストラについてはいろいろな学者たちが調べてるんですけれども、その中にそのお互いがプロフェッショナルというのは絶対条件としてあるって。全員がもうそれこそバークレーで教えられるぐらいのレベルの人たちだから、もう超一流の人たちだから成り立ってる、っていうのはあるのかもしれませんね。

島田)面白い。うんでもなんか今のそれですごいイメージが出てきたのが、もうね、それになったらいわゆる役職としてのリーダーとかまとめ役とか引っ張っていく人っていうのが、必ずしもなくてもよくて。

野田)まさにconnectedリーダーシップって評されていて、みんなが必要な時にみんなが自分でリーダーシップを発揮するんですよ。決して同時にみんながリーダーシップを発揮してるわけじゃないわけで、まあそんなことやったら船頭多くして船山登っちゃうんだけど、場に応じて自分が引っ張るときにはパンと引っ張る、リーダーシップが固定化されてないんですよね。だから大体30人ぐらいの室内管弦楽団だけども、30人の指揮者がいるっていう風に言われてるんです。

島田)本来だから組織もそうあるといいと私も思うし、それにはやっぱり自分で自分のことをしっかり認めて行かないといけないから、やっぱり私はスタートポイントって自分だと思うんですよね。しっかりと自分のことをあの認めていく、自分のことを尊重して尊敬して自分のことを受け入れるっていうことからないと、ほかの人のそれができないはずだから。そういう意味でも我がまま、自分から最初っていう意味も。

 

ワガママ心理的安全性になっていないか

野田)そうですね。今みんなの流行り言葉みたいになってしまったのでみんながあんまり考えずに使っている言葉の一つに、心理的安全性っていうね。みんな言うようになったじゃないですか。でも僕ね、どこまで分かって言ってるかなっていうのは若干その疑問感じるところもあって。心理的安全であるということは自分がありのままの姿でいることを周りが認めることって、少なくともgoogleでは言っているわけ。で、これ、認めさせる側の理論ばっかり言っていて、認める側の努力の話あんましてないんだよね。で、当然だけども自分が認めてもらおうと思ったらば相手を認めなきゃいけなくて、そこにはそのいろんな自分の中にはバイアスがあるわけだから、バイアスを一生懸命自覚した上で取り去ろうとする努力もしなきゃいけないしね。だからやっぱりそのお互いに努力があって初めてお互いを認め合えるんだ、っていう、ある種そういう意味で緊張感もあるんだよね、これってね。でもそれは別にその心理的安全性を棄損するものでも何でもなくて、だからなんかね、ちょっとワガママ心理的安全性でしゃべっている人がいる気がしてしょうがない。大変だよ、相手をありのまま認めるのって本当大変よ。大変だと思わない?本当いろんな人いるから。

島田)本当そうですよ、だからそれをみんな一瞬、そんなことしたらカオスになって止められないし、あのみんながそうなったら大変って言うんですけど、でもそこの前提が私は変えてみたらどうかなって。一度みんなにそれぞれさせてみたらいいと思うんですよ。で、そんでもって不快だったり違ったらちゃんと言うっていう。それは役職とかそういうことと関係なくちょっと実験的でもいいから、気づいたら言い合おうよと。なんかそれぐらいやっていかないと多分変わんないんでしょうね。

 

自分を知り、自分を信じる。それがプロフェッショナル。

豊田)今の話の中で私が思ったのは、まさにプロフェッショナル…オルフェウスみたいな話が典型ですけども、そうであればそういう場が作れるんでしょうけども、日本の組織の多くは比較的プロフェッショナルであるみたいなことを志向してないような組織形態もあったりしますよね。割と上下関係を作ってというのは実はその割と前提にもなってて、長くやった人間が、プロじゃないんだけど幅きかすみたいな、ベタに言えば。プロフェッショナルに全員がなれば、と言うことがあるんですけども、それを目指すスタイルをやっぱり指向することが前提なのか、それとも必ずしもプロフェッショナルじゃない、ジュニアで入ってきてるだとかっていう人たちもも、やっぱり我がままでありたいと思うし、多分あらせるセーフティーなあり方があるような気もしますしこの辺はどうですか。

島田)私はそのプロであるっていうこと…プロっていう表現が良いかわかんないけど、やっぱり自分は自分なんだ、自分はここが強みで、自分はこれが得意で、自分という人間はこういう人で、あるいはつけたすなら私っていう人間はこういう価値が出せて、って良い意味で自分のことを信じていること、これが私はプロだと思っていて。でもみんなそれをどんなことを何年やったか、かつ、例えば点数だったり、資格を持ってるとか持ってないとか、そういうことで比較をして、往々にしてまだまだだからとか、まだ何年だから、って言うのですごいなんか私は言い訳を作っているように感じてるんですね。そんなのやった事なければできないのは当たり前で、でもそのやりたいと思っていることを、例えばなるべく早く身につけようと思っているっていう点についてはプロかもしれないじゃないですか。なんかそういう風にもっともっと許可を自分に出すっていうか、外側に見えるものだけで比較をして自分がダメだ、あの人がすごい、じゃなくて。やったことなきゃ誰だってできないわけだから。でもやりたいと思っているんだったらそこに向かって進む力はぴか一ですとか。

大野)我がままっていうのはさっきのプロフェッショナルっていうことにあんまりこうとらわれないで、やっぱりその想いとか何を為したいと思っているのかとか、たぶんそういうことも含めて認め合うっていうことが大事なんじゃないですかね。

島田)言われる通りだと思います

野田)あの職業のアセスメントなんかでね、このごろは能力で適正測るんじゃなくて、好き嫌いで測るじゃないですか。R-CAPなんかもそうでしょう。あれって僕はすごくあの理に適っていると思っていて、だいたい日本人ってあの「できる」で職業を選ぼうとすんだよね。好き嫌いで職業を選ぼうとしない傾向があって、あれって中長期的に見るとあんまり成功に行かないんだよね。実際これはもうキャリア論でもわかっていて、好き嫌いの要素を入れた職業選択の方が中長期的にみると成功確率が高いんですよ。当たり前だよね。嫌いなことはいくらできたってあんまり上達しないさ。好きなことはできないけどやっぱ好きだからやってるうちに出来るようになるし、明らかにその自分のその想いというようなものをちゃんと自覚した上で、それを行動に移して行かないと、本当の意味での我がままになれないんだよね。

 

自分がやりたいことや好きなことを自覚している人は少ない

大野)今回のシリーズで野田さんが第一回目のセッションの時にあの僕趣味が妄想なんですよって言っていて、このシリーズ一貫して妄想って結構キーワードになってます。だからひとりひとりがあの妄想していること、それも認めてあげるっていう、そういう我がままであってほしいなあと。

野田)本当にそうだと思うんです。でも、今の話で自分で言って自分で気がついたんだけど、実際にいろんな人のキャリア相談とかいろいろやってるうちにわかるのが、あの自分がやりたいこととか自分が好きなことを、自覚している人って意外と少ないんだってことで。何が好きなんだかよく分かりません、っていう人が多いところは大半がそうなんですよね。中高年で僕らが相談受けたような人たちって。だからもしかするとわがままの前に我はなんぞやって。

島田)そうです、そう。自分を知るっていうことしかなくって。まあ経営とかビジネスっていうエリアでいろんなトピックあるじゃないですか。ダイバーシティだってそうだし、リーダーシップもそうだし、コミュニケーションとかまあそれらしき言葉がいろいろあるけれども、でも私いろいろ思って、結局一個のことからしかスタートしないな、っていつも思ってる。それはやっぱり自分を知るっていうことなんですよね。それをやってない人とかそれを避けてきた人たちは、今先生がおっしゃったような状況になりえてくる。でもあえて環境のせいにしたいのであれば、やっぱりそれを考えさせられるよう、考えることができるような場を、じゃあ学校教育の中でどれだけ提供してきたか、家庭の中でどれだけ提供してきたか、職場の中でどれだけ提供してきたか、って考えると、やはり…すべての国の教育のことは知りませんけれども、でも見たり聞いたり知っている限りと比べるとやっぱり違っている。もっと自己に、もっと意識を自分に向けていいっていう。やっとなんかそういう流れが来たような気がしているので。

野田)リクルートの横田響子さんっていう、女性社長応援のベンチャーやってる人いるじゃない。彼女は幼稚園のときに 日本からオーストラリアにお父さんの転勤で移ったんですよ。で何にびっくりしたかっていうと、あの朝行くと幼稚園で先生が響子、今日は何して遊ぶ?って聞くっていうの。日本の幼稚園では、ハイ皆さんこれやりましょう、はいこれやりましょう、っていう言われるままにやればよかったのに、オーストラリア行ったら響子今日は何して遊ぶ?って言われて、最初答えられなかったっていうんだよね。で、それにだんだん答えられるようになってきた。で、それがもうすごく自由で楽しくて、っていう風になってから日本に帰ったら、今度はそれが全く許されなくなって、すごい辛かったっていう話。

豊田)あーわかりますね。

大野)日本に帰ってきた人でそういう文化的なギャップで落ち込む人って結構多いっていう話もありますよね。島田さんはずっとあのWAAとかを推進してこられていて、ああいう働き方とかどこでも働けるとかいうことっていうのも、やっぱり我がなければ選べないですよね。

 

満員電車に毎朝毎晩乗ってる人って・・・

島田)本当にそうで。だからそのスタートポイントも、やっぱり自分がどうしたいかなんですね。私は社会人になって仰天して。あの満員電車。でもう本当にいつも言葉を選ばないですけど、改めて言葉を選ばずに言えば、これ毎朝毎晩乗ってる人アホじゃねーかって思ったんですよ。本当に。だって一切気持ちも良くなければもうすっごい疲れて、なんかこう意図してなくてぶつかっただけなのに舌打ちされたりとか、時々喧嘩が始まったりだとか、なんか全然良くない。

野田)本当非人間的ですよね

島田)で、なんでこれおかしいなあっていうのと、そもそもなんで9時に会社に行かなきゃいけないのかなっていう。それは行きたくなくて言ってるんじゃなくて、どうして9時じゃなきゃいけないのかがわからない。それから仕事も、いろんなものがオフィスにはあるけれども、なんでここに来ないとできないのかなとかいろんなことが、結構はてなはてなが多くて。そうではなくって本当にやることってなんだろうって考えたら、結果を出すということだから、自分の結果の出し方が例えば、もう朝型で朝わーってやるのがいい人もいれば、だんだん夕方になってすごく冴えてくる人もいるわけだから、それから家でやるのがいい人もいれば外でやる人がいい人もいれば、音楽聴きながらがいい人もいれば静かなのが…もうみんなそれぞれ、だとすると、全部一緒っていうのは何なんだろうっていうことをずっと感じて来ていたので、だから場所と時間の制約をなくす。結果にフォーカスするっていう働き方に変えればいいんじゃない?って思いながら来てたっていう。それがバックグラウンド。

野田)WAAは本当に聞いたときには我が意を得たりだったんですよね 元々いまの、朝9時に来なきゃならない云々っていうのは産業革命から始まってるわけで、産業革命でその工場ラインっていうのができた時に、あれ一人欠けてると困るじゃないですか。俺夜中の方が良いんだよねって言われても、冗談じゃないお前の為にみんな夜中まで付き合うのかよみたいになる。なのであれ9時に始まって5時に終わるってなってるわけですよね。でも俺らもう工場ラインについてる人ばっかりじゃないからね。だからその意味では、働き方の形式だけが残っちゃった。働く内容が変わったのに働く形式だけが残っちゃって、それがホワイトカラーでもなんでもかんでも無理やり適用されてる、っていう感じですよね。

豊田)そうですよね。なんか遅刻っていう言葉も、概念そのものが昔はなかったわけですからね。遅刻は誕生した言葉ですよね。

野田)だって農業やってたらさ、別に関係ないからね。むしろ農業やってると、自分のいちばん気持ちのいい時間に働かなきゃならないので、だから夏は朝早くなるわけですよね。日中いたらやっぱ汗かくわって。だから朝4時とか5時ぐらいからやる、その代わり朝夜は早く寝るみたいな、合理的ですよね。

 

コロナがもたらした我がままルネッサンス

島田)すごく思うんですけど コロナのことも含めて大変な経験だったけれども、やっぱり全ての人が自分の生活とか人生について絶対に考えたと思うんですね。だって今までじゃないことを強いられた時間だと思うから。そうなったときに改めて家族の大切さに気が付いたりだとか、本当は自分はこうしたかったんだっていうことに気がつき直したりだとか、っていう風にあった中で、本来の自分っていうものに気づきやすくなったんだと思うんですね。それは私は我がままのなんか一歩のスタートだと言うふうに思っていて。

野田)我がままルネッサンスですね。島田さんやっぱすごいな。実はね、ロンドン大学ビジネススクールのハーミニア・イバーラ先生って結構有名な…キャリア100年時代の先生ね、調査したところ49%のビジネスパーソンが、休息もしくはダウンタイムの時間をこのコロナ禍で得たって答えたんですよ。ダウンタイムというのは要するに、ふと立ち止まったっていうことですよ。49%もの人がこの頃中でふと立ち止まる時間を持っちゃった。ふと立ち止まるってやっぱり考えちゃうじゃない。そうするとまさに島田さんがおっしゃったみたいに、そもそも俺ってこんな仕事やっててよかったんだっけ?とかね、今まで随分と無駄なその通勤とかやってたけどこれまたやるのかなとか、今まであんまり疑問にも感じなかったことを立ち止まることで考えちゃった。結果、アメリカではSNS上のバズワードが“I quite”なんだよね。これはねあの あのテキサス大学のある先生が言ったんだけど、Great resignation 。ある調べによると55%からのビジネスパーソンが、ここ一年以内の転職を考えている、って回答している。これは本質思考ですよね。ふと我にかえって本質考えたら今の状況が本当にいいと思わない、これは我がままでは無いぞ、ここにいることは、っていうことに気付いちゃった。

島田)本当そういう流れができちゃってるから、だから今purposeっていうのもいきなり…すごい盛り上がり、いいと思ってるんですけど凄くね、とか、このウェルビーイングとかっていう概念にみんなその…頭でっていうよりも、もう心と体でそれがこう分かっているって、私は素晴らしい状態だと思うんですよね。

野田)全くそう思う。でも逆に言うとそういう状態を作り出せない会社はリテンションできなくなるってことですよね。なんでわざわざ行かなきゃなんないのか、合理的に説明してくださいよって言った時に、何言ってんのおまえ9時に来るの当たり前だろうっていう会社は、そんな考えだったんですかうちの会社はと。それはちょっと嫌ですそんなとこにいられませんって、なりかねないよね。

 

自分の体と心の発する声に敏感であれ

島田)とっても今いい状態なんだと思うんですよ実は。自然っていう言葉がありますけど自然って聞くとやっぱりそのネイチャーっていうその、大自然、緑があったり海があったりっていう自然もちろんのこと、自然体でいるとか自然な自分でいるってときも自然って使うと。こういうことからもやっぱり私たちっていうのは常に環境と本当に一体になって生きている存在で、いろんな天気とかその星の動きにもものすごくやっぱり左右されているんですよね。たとえばだって低気圧になったら頭が痛い人が増えたりだとか、満月の日には例えば犯罪が増えるとか出産が増えるとか、やっぱりその頭で説明、理解できないところで体が反応して生きているっていう、自分たちってそういう存在なんだっていう感覚を、なんかもっと持っていいと言うか。それが本来の私たちなってた時に、この我がままっていうところにはそういう要素も私が入ってくると思うんですね。

野田)逆に言うと自分の体と心の発する声に、敏感でないとダメだってことでもありますよね。

島田)体っていうのは本当に素直で正直だから、あの例えば本当にいきなり湿疹が出て止まらないとかね、頭痛もそうだし肩凝りとかもあるけれども、鬱みたいな状況に関しても、結局どこかでものすごい我慢だったり抑え込んでいたり、我がままじゃない状態が続いていた事が体に出るわけだから、こういう風に感じてるんです、っていう事を言うことがワガママだってみんな思ってるけど、むしろ逆で、それをシェアをしあえる場をやっぱりリーダー達から作っていく。これがもう本当に大事だと思いますね。

 

まだ来ない未来に不安を募らせるのは時間とエネルギーの無駄

野田)島田さんが冒頭の方でおっしゃった、本当にカオスになるかどうか一回やらしてみればいいじゃないっていうね、僕も大賛成なんですけど、でもやっぱり会社の中にはまだまだその産業革命的な統制ということをしないと、ダメだって考えている会社ありますよね。僕もね、そういう人たちのなんかこう…たが外しちゃったときの恐怖っていうか不安っていうかね、わからんでもないんですよ。こういう人たちに対して例えば島田さんがWAAを推進する時に、当然いたでしょそういう人。そんなことやったらお前、散り散りばらばらになっちゃって会社がぐちゃぐちゃになるぞ、とか言う人、多分いたんじゃないかと思うんだけど、どう言われました?そういう方に対して。

島田)WAAの時は、思ってた人はいるかもしれないけれども、一つはやっぱりもう社長自体がやるぞってなっててくれていた。だからやっぱりリーダーのコミットメントっていうのはすごく大きいと思います。でもやっぱりいろんな声があって、もう二大質問のうちの一個が「みんなが会社に来なくなったらチームワークどうなるんですか」っていう、これが一番目のやっぱり質問。ちょっと似てますよね。そうなった時に答えていたのはまず一つ、みんな会社に来なくなったらっていうけど、 WAAっていうのは会社に来るなって言ってる制度じゃありません。どこでやってもいいです。自分がいろいろ感じて、やっぱりオフィスがベストだと思えばオフィスに来ればいいじゃんと。まずそこをちゃんと理解してくださいねと。やっぱりみんな一瞬聞いたことや見た事で、自分のパターンで物事を解釈するから、それで反応するって事がありますよね。っていう点と、もう一個が「そうなるかどうかは、まだやってないのでわかりませんから」と。まだ来ない未来のことをね、失敗したらどうしよう困ったことが起きたらどうしようってあぐねるのは、時間とエネルギーの無駄ですと。やってみて、思った通りに行かなかったら変えてみましょう、てしたんですね。でも野田先生がおっしゃったあのそうは言ったってっていうのもすごく私も分かります。だからここは決め事だと思っていて。もしやっぱり自分が例えばリーダー的な立場で恐れがあるんであれば、やっても良いしやんなくてもいいだと思うんですよ。でも少なくとも、こういうことをしてみたらどうかと思うんだけれどもこういう恐れがあるんだよね、っていうのを表現したらいいと思うんです。それもやらずに、あぐねてあぐねてでも怖いからってやってるのはもったいないかなって思うし、もし例えば社員の立場で、ああもうこの会社の、本当に変わって欲しいけれどもこうやって産業革命的で変わらないんだっていうのであれば、私はちょっと端的過ぎるかもしれないけど、やっぱ違う会社に行くってことだって全然あり。その時にぜひなんかやめてくれたら嬉しいなって思うのは、でも何年も務めたしとか、他に私行けるとこないかもしれないし、とか、まだプロじゃないしとかっていうので結局同じ環境を選ぶっていう。それも選択肢だけれども、選択肢って自分が思っている以上にいっぱいあるんだよ、っていうことも知っておいてほしいなあと思うんですよね。

 

「できない」「変わらない」じゃなくて「やらない」「変えない」、だよね?

野田)もしかすると我がままでいるということは自分の未来には責任を持つということかもしれないね。うんそうだから今comfortableだからといってここで何かをしないことによって将来の自分の自分らしさが失われるとすると、それを自分の責任だよね。

島田)本当にそうです。さっき先生がそのRCAPとかの話のところで好き嫌いっていうものの大切さをおっしゃってくださって、私も心の底から共感するんですね。なんか人生って結局四つのことでしか決まらないって私は思っていて、それは好きか嫌いかやるかやらないかだと思うんです。で、好きでやるって決めたことはもちろんうれしいし、好きでもいろんな状況から今はやらないって決めることも、特にビジネスの世界だったり、人生の中で今起きている局面から、本当はこうしたいけれども今はやらないって決める、っていう事が結構大事なんじゃないかなって。そこをいつも環境とか誰かのせいにして、できないとかやれないっていう言葉を使うから、どこかで他力になっちゃう他責になっちゃう。だから使う言葉を変えると良いよって話をいつもするんですけれども、できないとか、変わらないって言った時に、そうじゃなくてやらないんだよね、変えないんだよねって。あ、そうかって気づいてもらえるとすごく意識がその後変わるんですよね。だからやっぱりおっしゃってくださった、自分の未来に責任を持つっていうことと、同じだなと思います。

野田)大切だね。あのトヨタ自動車の人と話してた時ね、トヨタの人たちってあるべきって言わないんですよね。ありたい、っていうのよ。

島田)ああ、素敵素敵。

野田)で、どうしてって言ったら、あるべきっていうとすごい他責だと。例えば、上司から命令されても、命令されたからということを理由に行動することは推奨されていない。命令されたらもう一回自分の腹で落として、やっぱりこれやった方がいいと思ったら自分の意思でやるんだと。だから自責なんだっていうふうに言うわけですね。じゃあ 受け入れされておかしいと思ったらどうするんだって言ったら、それを言えばいいじゃんと。

島田)最高ですね。

野田)それは上司がなぜやるかってことを説明する責任があるんだって。これすげー会社だなと思って。だから彼らはあるべき姿ってよねでありたい姿って言っている。かっこいいよね。

島田)あんな大きな会社で、それが浸透してるっていうのが本当にすごいと思う。

野田)自分の頭で考えて自分の責任で行動する、でも人間ってそういうもんでしょっていう人間観なんだと思うんですよね。我がままっていうのはそういうことなんだと思うんですよね。

大野)我がままでいる為には、ある種の個人個人の覚悟も必要ってことですよねすね。

 

豊田)なんかでも今のあのことを全くその通りだと思う上で、覚悟は必要だって自分のことは自分で考えるんだよっていうメッセージングを、ちゃんと例えばトヨタであれば会社が実はある種文化的にそれを作ってたり、いろんな会社は割と行動規範みたいな言葉の中にそういうような自分のことは自分で決めるんだと言うことを、実はあの会社の中でみんなが共通言語にしているような形で作ってたり、まあそういう会社がありますよね。そういう中で個人がどんどん変わって、自分自身にあの自己が実はない人たちがなんかどんどん気づきの中で実はこういうことやりたかったんだっていうふうに気づくっていうことがあると思うんですけど。

野田)チャットでもね、吉村さんからそのむしろ管理統制する方向になってきてんじゃないか、というふうに意見があって。もしそうだとすると、どうしちゃったんだろうって感じだよね。

島田)完全なる逆行を超えてますね。なんかもう違う方向に行っちゃってる

野田)KXカイシャトランスフォーメーションの結構重要なポイントが、この自責文化というか自分の頭で考えるっていうことの推進になるような気がする。色んな所に波及するような気がします。

 

「ひま」な人が大事になる

島田)私今のこの一連ので思いついたんだけど、前お話したかもしれないですが、私、これからどういうパラダイムで物事が流れていくんだろう、とかって考えてた時に、以前からそのもう管理職っていう言葉もなくなるし、管理する必要もないし、そうじゃなくてファシリテータが必要だって。ファシリテータって何かって言ったら、その相手とか状況の良いところを、まだ出てないものを引き出していける人。そういうふうなあり方でいわゆる管理職の人たちがあの毎日いたとしたら、多分状況って変わってくると思うんですよね。でも管理も必要ないから管理職とか名前も変わってくるでしょうっていうふうに思っています。で、そこから派生してすごく最近思って言ってるのが、じゃあこれから必要な人ってどんな人って言われた時に ひと言暇な人がすごく欲しいです。暇な人っていうのがすごい大事になります。暇っていうのはその本当に暇ですよ、スペースがあるっていうことで、これはさっきのそのハーメニア先生の、ダウンタイムを取ってさっきのふと立ち止まったってことは、結局スペースができたわけですね。だから、物理的なスケジュールにもやっぱり少しスペースがないとならないし、心とか頭にもまあ気持ちにもスペースがあるっていうことはいいでしょう、という意味の暇ね。と同時にそのスペースって宇宙って意味があるから自分の中にいつもちゃんと宇宙を、持っていて、さっきのその自然とのつながりとか、自分っていうのは地球の上で生きているんだとか、そういうような感覚のことも言ってるんですね。実はもう二つ意味があって、ひとまなんですよ、ひまな人だから。「ひ」は、さっきの引き出せる人。「ま」は前向きな人なんですよ。この要素がある人だけいればいいやと思って。自分もそうあれるようにすごくこうリマインドしているし、例えば採用の面接もそうだし、あの人材育成そのチームメンバーだったり社員だったり、社外の方でもいろんな方と接しますけれども、あのどんな視点でこうあるかって言ったときに、この人がどうだったら暇な人になるかなって言うので見てるんですよね。

大野)僕結構30代ぐらいの時期がついたんですけどね。なるべく暇そうにしてようと思ったんですよ。本当は忙しかったとしても、忙しぶる人居るでしょう。忙しそうにする人って声かけにくいじゃないですか。そうすると新しい情報入ってこなくなるんだ。なるべく暇そうに、できるだけ暇そうに見せるっていうか、絶対その方がいいなと、30代くらいに気が付いて。

野田)僕はまったく逆で、僕いつも忙しそうにしちゃう人なのね。実際忙しいのかもしれないんだけど、でも、忙しいってやっぱり心を無くすって漢字ですが、ある時たまたまだったんだけど同窓会行った時に、暇だったのよ。その前一週間が珍しく。で、なのですごく心に余裕ができているわけよね。で同窓会で、野田どう、最近忙しい?って…まあ30代みんなすごい忙しかった時だけど、え、俺暇なんだよねって言ったわけ。それたまたま一週間のことなんだけど、そう思ったら暇なんだよねったら、お前羨ましいなって言いながら、実はさ、っていろんな話をしてくるわけですよ。暇ならちょっと手伝えよって言ってくる。あ、これだと思った。僕は自分で考えてたわけじゃなくてたまたま本当に暇だったんだけど。これ、すきま作っておかないと何も入ってこないなーと思って。隙間作んないと駄目だって。

島田)すごい、お二人ともなんかそういう実体験がやっぱりあるんですね。だからやっぱりなんかハンドルにも遊びがあるとかっていうのと多分一緒なんだろうなって思ってて、パツパツだとやっぱり自分の意識も余裕がないから大事なものを見ようとしちゃったり、そういう良いセレンディピティーが入ってこなくなるんですよね。

豊田)変わる機会をなくしちゃうみたいなことですよね。

島田)やっぱり立ち止まるってすごい大事で、漢字で、少し止まるって書いて歩くっていう漢字なんですよ。だから私は本当に歩み続けるってことって、本当は歩くっていうことは、やっぱり時々少し止まっていいんだよっていう。

野田)まあだいたい正しいって言う字はこの線で止まるだって。

島田)ああなるほどね。そうかそうか面白いね。

野田)なんか藤井さんが乗り移ったみたいだけど。

島田)藤井さんと話したいね。

大野)漢字博士大量発生。

 

お互いにフィードバックしあう場を作る

野田)ああでも今日なんかすごく色んなコンセプト出ましたね

豊田)そうですね。

大野)島田さんが会社で人事担当されている中で、我がままである人を増やそう、増やすために、なんか最近気になってること、ないしはやってることってあります?

島田)最近気になってること最近やってる事…なんか、やっぱりその自分が自分らしくあるということをかなり以前から一番大事にしているから、最近っていうだけじゃなくてやっぱりまず自分のチームのみんなには、自分を知るっていうことを、常に常になんかこうフィードバックしたりだとか、話をしたりだとか、好きなことを聞くとか、得意なことは何だろうって見て、お互いにこうフィードバックしあう場を作るとか。あの、そうは言ったってやっぱり役職とかがあると、何でも話していいよって言ったってそうじゃないことも知っているし、でも極力そうあれるような場をファシリテートするっていうことは、非常に気をつけてやってきてますかね。で、それが私は自分で言うとあれかもしれないけど…チームメンバー、外からこうやって入って来てくれる子もいるし、そうするとすごく、ここには本当に心理的安全性があるっていうようなことを言ってくれる場合もあったりするから、それは本当にやってて良かったかなって思いますね。

野田)島田さん自身がそういう意味では管理職というよりもファシリテーターなんですよね、きっとね。

島田)そうありたいなと思ってます。なんか、管理がもうそもそもまずまず不得意。自分のことも管理できないし、なんかこう本当にダメです、締切とか、はいこの時間にこれやってこれいつまでに…とかって言われちゃう時点で、もう私の発想とかどっか飛んでちゃう感じがして。私の得意なところはこれできないところはこれ、ってすごいオープンにして、だけど、これが私は得意だよこれはダメだよ、でも仕事ってやっぱりみんなでやるものだから、私ができないところをすごく好きで得意でやってくれる人がいるし、誰かがゲーっていうところはやるやるやるっていうのもあるし。だからチームなんだと思って。そういう意味では本当に色んな人がチームにいるっていうのはすごく大切なことかなあと思いますね。

野田)我がままのジグソーパズルみたいなもんなんだよね。

島田)そうそうそうそう、いいですね。

野田)得意なところと苦手なところが、がこっとハマるんだよね。

豊田)今島田さん言ったみたいに、自分のいいところ実はダメなとこだとかをオープンにするってすごく大切なのかもしれません。島田さんがそれをやればやるほど多分みんなオッケーじゃんっていう。まさにあの我がままであっていいんだっていうことが伝わると思うので。

野田)それはそれで全体最適になるしね、それがね。

大野)オープンになってればファシリテートできますよね。それがなんかクローズされちゃってて知らないと、ファシリテートしにくいもんね。 

島田)なんか、その場の雰囲気っていうのって全ての人が実はすごく感じてると思うんですよ。人間にはその力があるから。でもなんか言いにくかったり、それを表現したらいけないんじゃないかっていう恐れがあって、そんなこと言ったら嫌われるんじゃないか、はじかれるんじゃないかって、それで結局なんかもうとりあえず何も言わないで、やりすごしておこうみたいな。例えばそんな一日をofficeって言われてるところでもしくは職場で過ごしているとしたら、実はなんか人間である理由ってやっぱ感情を感じているということにあると思うから、それを止めちゃってる人がすごく多いなあと思って。そこをまずやめてほしいなってすごく思いますね。

野田)今メンタルの人が増えてるのは何なんでしょうね、ってチャットにあるけど、それなんだろうな。感情抑制ってことは人間らしくないってことだもんね。

豊田)まったくそうですよね。

島田)ホントそう。

 

自分らしく生きるとは、自分に対して責任を果たすこと

野田)いや今日は楽しかった。実は島田さんとのこのセッションめちゃめちゃ楽しみにしてて。めっちゃめっちゃ楽しみだった。

島田)私もなんですよ!

大野)今日もね、もうぶっつけ本番の1時間で。ありがとうございました。またとってもあの盛り上がった回になったかなと思います。

島田)あっという間過ぎる。

野田)グラレコが楽しみだね。

島田)あれ描いてくださっているんですね。いや、すごいですよね、グラレコ描ける方って本当にすごい。尊敬する。

野田)あの表現力ってめちゃめちゃすごいよね、本当に。

大野)ありがとうございました。本当にあっという間の一時間だったんですが、ちょっと次回のアナウンスもしたいので。その前にこのシリーズでやってきているわけですが、今日一日一時間、振り返っていただいて野田さんどうでしたか。

野田)なんかねちょっと今お腹いっぱい(笑)。 ただあの一つ…一つだけじゃなくていろんなことわかったんだけども、要するにその自分らしく生きるということが、自分に対しての責任を果たすことでもあるっていうのは、僕はすごくやっぱり今日、責任を果たしていないっていうのがよくないことなんだ、ってすごく思ったんですね。それだけに自分が一体何が好きなのかとか、それを知るっていうことが第一歩だよね。これはやっぱり自分でももう一回やらなきゃいけないって、実は僕は今回、コロナの時に正にダウンタイムになったときに、意外と自分のやりたいことがよく分かんないっていう瞬間があったんですよ。なので、ああそうかと思って。そんなことをなんか気づきながら、自分に引き付けながら聞いてましたね。

大野)はいありがとうございます。島田さんこの一時間振り返っていかがでしたか。

島田)いやもう最高。何が最高って、やっぱり私はまずそもそもこうなんかぶっつけ本番っていうのが本当に好き。何故ならばやっぱりその感じていることとか、その場の流れであのきたことを扱えるから、なんかすごくあったかくなるからすごい好きなんですね。

野田)あーそう。あったかくなった。

島田)それでかつ、このあの皆さんといると、それぞれの視点から出てくる表現とか、それからもう全員が違う体験してるから、具体的な経験とかからこう紡ぎだされてくる、もちろんその表現もそうだし、体験談もそうだし、これってこういうこと?っていうのがすっごい新しいその刺激をくださるんですよね。だからこのチャットでもこうやって書いてくださるっていうことがすごくありがたくて。やっぱり場ってみんなで作ってるものだから、私たちが話しているのを見に来てくれてるみたいな感覚の、この場はすっごい良かったです。

大野)はい、ありがとうございました。じゃあちょっと次回の告知をしたいと思いますが、10回のうちでセッション2から6までがこの分科会っていう場になっていて、今日がセッション5でした。次回3月9日に カゴメの有沢さんとNECネッツエスアイの吉田さんをゲストスピーカーに、まあカイシャ卒業宣言。これ最初はね、会社をぶっ壊すっていう名前にしてたんですけど。まあカイシャっていうのはその昭和モデルから抜け出せないさっきの管理みたいなことにこだわっている古い日本の会社っていうことで、まああのあえてカタカナで書いてますけどここから卒業して行きましょうという分科会ですね。3月9日です。

豊田)二人の声を少しだけ。

 

有沢)何を僕がしたいのかっていうのは、基本的にそこもちょっと明確にした方が良いのかなと思ってて。僕の場合はやっぱりカルチャーの変革なんですよね。

吉田)この企業文化とカルチャーを、これから壊さなきゃいけない、変えなきゃいけないって行った時の戦う相手って誰ですか。実は変えろ変えろって言いながらも、やりたくないっていう反対派は、ほとんどそこから生まれてきてるようなき気が私はしてるんですね。

有田)カゴメを一言でいうとスーパーオールドファッションドジャパニーズトラディショナルコンサバティブカンパニーじゃないかって言われたんですけども。この回で話してますけど、将来うちのカゴメって全員業務委託にしようとしようと思ってるんです話してますけども…

吉田)野田先生から人事を敵、敵って言っちゃダメだってっていつも怒られるんですけど…

 

島田)最高ですね有沢さん。

大野)有沢さんから爆弾発言出ると思いますし、この人事と戦い続ける吉田さんっていう、このバトルが非常に見ものですので、是非あの次回もお越しいただければと思います。そしてまあ今日の話の中にもありましたけど会社、会社を変えていこうっていうあのセッションなんだけども、やっぱり一人一人があの我に気が付いて、我として生きて行くんだっていう覚悟を持つってことも非常に大事だと思うので、そういう個人が気づく場としてですね、こういうワークショップなども開催しています。ぜひあのご興味ある方はお立ちよりください。そしてこの活動を一緒に広めていく仲間をですね、今募集しています。ライフシフトパートナーって言うコミュニティを今、立ち上げ始めていますので、まあこういうものに関心がある方もぜひお越しいただければと思います。じゃあ今日は一時間またあの濃い濃い一時間になりました。どうもありがとうございました。島田さん野田さん本当に今日も一日ありがとうございます。

野田・島田)ありがとうございました

大野)4月26日のセッション10で、また皆さん全員集合でやりたいと思います。よろしくお願いします。ありがとうございます。