昭和モデルから脱却できない“カイシャ”を壊し、人生100年時代の“会社”を創る社会変革ムーブメント。それがKX(カイシャ・トランスフォーメーション)です。

 

なぜこういうムーブメントを起こそうとしているのか。それは、私たちライフシフト・ジャパンのビジョン、ミッションにあります。

 

私たちは、創業時に以下のようなビジョンを掲げました。

 

私たちは、一人でも多くの人が、「人生100年時代」をワクワク、楽しく生きていける、日本発の「ライフシフト社会」を創りたい

 

そして、ミッションとして、以下の5つの項目を謳いました。

 

①私たちは、一人ひとりが、自分の人生の主人公として生きていくための「オーナーシップ」を獲得するためのサポートを提供し続けます。

②私たちは、一人ひとりが、自分の中にある価値軸に出会うためのサポートを提供し続けます。

③私たちは、一人ひとりの変身資産を「見える化」し、さらにその変身資産を豊かにするためのサポートを提供し続けます。

④私たちは、一人ひとりのライフデザインを規定してきた、日本型雇用慣行を革新し、個人の「組織からの自立」を促進します。

⑤私たちは、一人ひとりの「キャリア自律」を促進し、個人と組織の新しい関係を提案し続けます。

 

このミッション④⑤を果たすべく、「カイシャの未来研究会2025」を発足。「人生100年時代」における、企業と個人の新しい関係の探索をスタートしました。2018年のことです。

 

では、これまでの企業と個人の関係とはどのようなものだったのか。日本企業は、人を大切にする、人を育てるという他国の企業にない姿勢をもっている。今後もそれは大切にしていくべきではないか。しかし、企業がありたい方向や状態に人を縛りつけてきた、つまり企業が上、ひとは下、という関係は改めていくべきではないか。そんな、よくある議論の中から、「そもそも会社って何だろう?」という大きな問いが生まれました。

 

会社法では、会社を法人という形で擬人化し、意志ある存在と定義しています。しかし、会社という言葉の原義は「同じ志をもって物事を行う集団。結社/仲間。」です。そう、会社という実態は「ない」のです。会社とはフィクション。そこにあるのは「“想い”を共有する人が集まる“関係”の場」なのです。そして、その本来の意味や価値が、時代の変化とともに大きく失われてきた。かつては共有されてた“想い”がどこかに行ってしまっている。カイシャという存在があたかも意志を持つように自己目的化し、一人ひとりの“想い”は置き去りにされてしまっている。問題の本質はそこにありました。

 

では、カイシャはどう変わればいいのか。そこに集う一人ひとりが「人生100年時代」をワクワク、楽しく生きていけるためには、どうなればいいのか。研究会が掲げたスローガンは「会社を『出会いの社(やしろ)』にしよう。」でした。会社を、自身の「想い」に気づく場所にしよう。「旅の仲間」に出会う場所にしよう。「変身資産」を高める場所にしよう。そして人生の「主人公」になれる場所にしよう。そんな基本方針が定まったのが2019年のことです。

 

では、『出会いの社(やしろ)』はどこかにあるのか。研究会が考えている未来企業は、すでに生まれているのか。萌芽企業を探し出し、経営者とメンバーの話をじっくりと聞き、“ヒト・ドリブン経営で行こう”というウェブ連載を展開。タニタ、サイボウズ、ヤッホーブルーイング、ニュースタンダード、キュービック、ソニックガーデン、エンファクトリー、伯食屋、ママスクエアというステキな10のフラッグシップ企業から、実に多くを学びました。それぞれが極めて独自なエコシステムを形成していました。しかし、そこには共通する考え方やシステムがありました。

 

こうした一連の活動を通して浮かび上がってきたのが、5つのコンセプト(ビジュアル/リンク)。そしてスタートしたのが『KXカイシャ・トランスフォーメーション~人生100年時代の“会社”を創造する10のセッション』(2022年1月20日より4月26日にわたって開催)です。 研究会が3年にわたって探究してきたビジョンを、KXという名を冠して体系化し、昭和の経営モデルから脱却できない日本の“カイシャ”の変革に広く適用できるモデルの創造を目指して行いました。これまではクローズドに行っていた分科会でのディスカッションも、モデルを言語化・体系化していく編集会議も、すべて公開形式で行いました。各回のテーマは以下の通りです。

 

■KXセッションのテーマ 

SessionⅠ KXを実現する5つのコンセプト 

SessionⅡ「想いドリブン」分科会

SessionⅢ「旅の仲間バラエティ」分科会

SessionⅣ「つながり・リデザイン」分科会

SessionⅤ「我が-ままセントリック」分科会

SessionⅥ「カイシャ卒業宣言」分科会

SessionⅦ モデル編集会議 Part1

SessionⅧ モデル編集会議 Part2 どう始める?“ひとりで始めるKX” 

SessionⅨ モデル編集会議 Part3 どう広める?“ひとりで始めるKX” 

SessionⅩ KX社会実装モデル発表 《KX部、始動。》

 

KX Digest movie

全10回660分のKX Sessionを20分にダイジェスト

 *一連のセッションのダイジェスト映像をご用意しています。ぜひご覧ください。


公開セッションというチャレンジは、私たちに大きな実りと気づきをもたらしました。参加者の皆さまからの想い溢れるチャットコメント、アンケートコメントが、各コンセプトを深めていく大きな財産となりました。そして、当初は「社会実装モデル発表」をもって終結する予定であったこの活動の継続を決定、推進コミュニティ“KX部”を立ち上げました。2022年5月のことです。

 

ここから先の活動については、「KX Action ノリは部活。ガチの部署。こちらKX部です。」をお読みください。