ライフシフト・ジャパンでは、ライフシフターの生の声を直接聞いて交流できるイベント「LIFE SHIFT LIVE」第6回を2018年11月20日(火)に開催しました。(告知ページはこちら
人生100年時代において、大人が大学院や留学などで学ぶ意義や価値、そしてその学びの先に見ているものを、モデレーターの河野と共に、ゲスト3名のリアルな体験談やご意見を語っていただきました。今回のゲストは、総合商社に勤務しながら大学院に通い「事業構想修士」を取得した行廣和彦さん(43歳)と、会社経営者で53歳の時に語学留学を実践した広野郁子さん(55歳)。そしてスペシャルゲストに、現在慶応大学大学院で心理学を学んでいる演出家・タレントのテリー伊藤さんをお迎えしました。

《開催レポート》ライフシフターと直接話そう!【LIFE SHIFT LIVE】 第6回「大人の学びの2大トレンド「語学留学」と「大学院」のリアル」 を開催しました
会場には、会社に勤めながら大学院に通っている方や、これから留学を考えている方、また会社を辞めてまさにライフシフトを実践しようとしている方など、「ライフシフト」と「学ぶ」ということに関心の高い参加者が多く、熱心にゲストのお話に聞き入っていました。

《開催レポート》ライフシフターと直接話そう!【LIFE SHIFT LIVE】 第6回「大人の学びの2大トレンド「語学留学」と「大学院」のリアル」 を開催しました

大人も学び続けるマルチステージの時代へ

オープニングトークでは、ライフシフト・ジャパン執行役員の河野より、同社の活動内容や、人生100年時代を楽しむためのヒント、そして現在大学院生でもある河野自身の留学体験や、大学院へ通うことにした理由などをお話させていただきました。

河野
人生100年時代の人生設計は、教育、仕事、引退という3ステージ型から、マルチステージ型になっていきます。就職後も副業や地域活動をしたり、時代の変化に応じその時々で必要なスキルを身につけるため学校に通ったり。再就職や起業といったいろいろなステージを行きつ戻りつしながら生涯現役を目指すのではないかと考えています。
私自身も、会社員人生から次のステージに向けて学び直したくなり、昨年30年の会社員生活にピリオドを打ちました。アメリカ・オレゴン州のポートランドで3ヶ月間語学留学を経験し、語学力向上と新たな発見のある充実した時間を過ごしたのち、現在は民間企業の枠を超えたイノベーションの起こし方を学ぶため、大学院で学んでいます。

 

不安を解消するために勉強し、「想像力」を培う

続いて、演出家でタレントのテリー伊藤さんにマイクが渡ります。テリーさんは2017年9月に慶応大学大学院、政策メディア・研究科に入学しました。
週2回ほど通学するという湘南校舎は、多忙なテリーさんには決して便利な立地ではありません。それでも通うことを決めた理由とは。そして実際何を学び、何を感じているのか、テリーさんの人生観も交えながら本音で語ってくださいました。

テリーさん
この歳になると好きなことばかりじゃなくて、ちょっと“ままならないこと”をしたいなと思ったんです。勉強って“ままならない”でしょ。はじめはパワーポイントも知らなかったり、研究発表で教授に酷評されたり。自分の想定通りにいかないその“ままならさ”が面白いです。

はっきり言って人生ほとんどいいことないです。でもだからこそ、そんな自分をどう面白がれるか。「このことだったら寝なくても頑張れる」というものが誰にでもあるはずです。そこを見つける。

みんな不安がある。不安って「欲」なんです。その不安を解消するために勉強する。勉強によって豊かな「想像力」が培われます。その「想像力」のために勉強するんです。

 

会社の看板の外、個人でやれることを探したい

続いて行廣和彦さんがご登壇。行廣さんは現在大手総合商社に勤めて25年。40歳を機に事業構想大学院大学に入学します。企業人として20年近く海外駐在や大阪勤務などで仕事に励み、東京へ戻ってきた時、ちょうど40歳。その先を考えると自分に足りないものを感じ、同大学院への入学を決めます。
家族の協力を得ながら2年間、平日夜と土曜日に大学院に通い「事業構想士」を取得。大学院での研究内容、卒業後の変化についてお話しいただきました。
🔗行廣さんのライフシフターインタビュー記事はこちら

行廣さん
それなりに名の知れた商社に勤めてきたサラリーマンですが、40歳で東京に戻った時、その看板と今までの経験だけでこの先も通用するのかな、と焦燥感にかられました。10年後、20年後の自分と家族のことを考えると、今までとは違う発想や、考え方を身につけたいと思いました。この大学院に決めたのは「事業を構想する」という新しさに惹かれたからです。ここに通わなかったら交わることのなかったであろう人たちと議論する時間は実に面白かったです。

そしてここでは「自分が作るビジネスに社会的な意義があるか」ということを問われたことも衝撃でした。商社勤めの私は利益あってのビジネスという価値感が染み付いていましたから。卒業後は仕事以外の時間の使い方が大きく変わり、実現したいものへ向かってスタートできるよう準備をしながら過ごしています。

 

豊かに生きるために学び続けたい

最後の登壇者は広野郁子さん。広野さんは出産を機に一度仕事を辞めますが、その後も再就職や嘱託雇用などで仕事を続けます。しかし当時は女性が働きづらい時代で、歯がゆい思いを強いられました。そこで38歳の時、後押ししてくれる周囲の声に助けられ、女性目線のマーケティング会社「アイ・キューブ」を興し軌道に乗せます。
プライベートでは2014年から相次いでご両親を亡くし、ご自身も乳がんを経験するなど、激動の3年間を過ごしました。その後、53歳で英語の学び直しを決意するまでの経緯と実際の体験談を熱く語ってくださいました。
🔗広野さんのライフシフターインタビュー記事はこちら

広野さん
50歳からの激動の3年が落ち着き、海外旅行を楽しむようになったのですが、英語がまったくしゃべれない自分に愕然としました。さまざまな勉強法を試行錯誤した末、オンライン英会話で楽しさに目覚め、思い切ってまずはハワイへ一週間留学。その後マルタ島へ3週間。ここではいろいろな洗礼を浴びましたが、語学上達だけではなく国や年齢の違いを超えてたくさんの人と繋がれたことが大きな学びとなりました。英語力はまだまだですが、将来的には、英語を使ってお金儲けではない何か新しいことをしたいと思っています。

私は、親が突然人生を終えるのを見たり、自身の病気を通して生き方を見つめ直す時期がありました。母は「勉強することは豊かなこと」とよく話していましたが、その通りだと思います。だから人生100年時代、豊かに学び続けていきたいです。

 

笑いに溢れたクロストークタイム

毎回盛り上がるクロストークタイムでは、参加者がゲストに直接質問や悩み相談、そしてさらなる本音を聞き出すことができます。今回はテリーさんからテレビ業界の裏話も聞けたり、笑いの多い時間となりました。以下、一部をご紹介します。

Q.大学院での課題や研究の時間はどのように捻出していますか?

テリーさん
振り回されています。(笑)夜、資料集めや原稿書いたり、大変ですが好きで選んだことなので楽しんでいます。人って夢中になっている方がパワーがありますよね。僕はあまり先のことは考えず、あまり悩まず、難題も面白がるようにしています。

 

Q.現在銀行に勤めながら大学院で博士課程を取っていますが、行員仲間でも私はかなりかなりレアな存在です・・・。

行廣さん
私もそうでした。今はそのレアの仲間を増やしています。発信を続けると仲間が増えていき、仲間が増えると会社や外野の意見は自分なりにシャットアウトできるようになります。銀行に勤めながら同じようなことをしているまさにレア仲間を集めると楽しくなると思います!

 

Q.子育てがひと段落した今、30年近く勤めた会社を辞めて留学を考えています。でも帰国後のことを考えると不安も大きく、こんな私にエールをいただけませんか?

河野
私も辞める前は周囲の反対や不安がありましたが、いざ辞めてみるとものすごく自分自身が解放されて楽になり、未来に対する不安も解消されました。自分が思った以上に世間は広く、思った以上に自分が役立てることがあると知れたのは、思い切って外に飛び出したからです。

 

広野さん
仕事があるかどうかわからないから未来に不安を感じますよね。でもその人にしか出来ないものを持っている人は仕事がなくならないので不安になりません。一旦立ち止まって、自分のコアとなるものを見つけ才能を磨いていけば良いでしょう。

 

刺激やヒントが得られる「LIFE SHIFT LIVE」

今回のライブにご参加いただいた方々に、イベントについてのアンケートにご協力いただきました。
お答えいただいたほとんどの方が、内容にとても満足し、刺激やライフシフトのヒントを得られた、と回答してくれました。お寄せいただいた感想をいくつかご紹介します。

  • ゲストのリアルなお話をそれぞれの言葉で聞くことができ、雑誌やWEBでも得られない情報が満載でした。
  • 50歳過ぎても学びの機会は多くあることを知り、新しいことにチャレンジしたくなりました。
  • 大人の学びはこれからも人生のテーマとして常に考えていきたいと思いました。
  • 人生100年時代の理解が深まりました。

次回の「LIFE SHIFT LIVE」は、決定次第お知らせします。どうぞお楽しみに。