2018年7月4日(水)にライフシフト・ジャパン取締役副社長の大野誠一が、法政大学キャリアデザイン学部田中研之輔教授のゼミにて客員講師として特別授業を行い、現役の大学生と「人生100年時代」をテーマにディスカッションしました。

書籍『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)100年時代の人生戦略』(リンダ・グラットン, アンドリュー・スコット著書、池村 千秋訳)も参考に、学生同士によるグループ・ディスカッションを行い、各自の意見を発表するという形式で授業は進められました。

3つのクエスチョンから考えるリアルな100年ライフ

まずは『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)100年時代の人生戦略』で語られている内容のまとめを大野から簡単に説明したのち、“3つのクエスチョン”を学生たちに提示しました。

 

大野
この本の中に登場する1998年生まれのジェーンさんは、皆さんと同世代です。本の中で語られているように、皆さんは、ほぼ確実に100歳位まで生きることになります。彼女の100年時代の生き方も参考に、自分たちはどうしたいか、どう思うかを自由にグループでディスカッションして、発表ください。

 

Q1 雇用される?されない?今後、どう働いていきたい?

学生の意見で多かったのは、まずは安定した雇用の下で、基本的な社会人マナーやスキル、組織についてなど、“雇用されるからこそ学べる”ことを学んでから、起業したいという意見でした。将来的に起業やフリーも含め“雇用されない”働き方をしてみたいという学生は約8割もいました。

 

グループA
起業家として人をマネジメントする立場になるとその分、責任も重い。起業するにしても、まずは、組織の中で人の下について働くことで、部下の気持ちなども分かり、起業したときによい起業家になれるのではないかと思う。

それぞれのメリット・デメリットを挙げながら話し合い。

Q2.将来のパートナー選びで大切にすることは?

現在も共働き世帯が増えていますが、人生100年時代では共働きのメリットはさらに大きくなります。例えば男性が働くのを一旦ストップし、“学び直し”の過程にある際は、女性がその期間の収入を支えるといったことも十分あり得ます。

そんな時代を生きる学生たちらしく、「お互いに家事や家計のやりくりなど協力し合えるかが大切」といった意見が多く出る一方で、若者らしい「見た目(ルックス)」や「性格」といった意見も挙げられました。

全体傾向として印象的だったのは、男子学生のほぼ全員が「家事や育児は分担して担う」、女子学生の全員が「結婚や育児の際に一時的に仕事を離れる事があったとしても、何らかの形で仕事は続けていきたい」と答えた事でした。

 


グループB
  • <男性>お互いの意見を尊重し合えるかが大切。あとは、たとえ収入がなくなった時でも、男性を支えられるような社会的スキルを持っていてほしい。
  • <女性>リスペクトできるかどうか、お互いに高め合えるかどうかが大切。

 

家事を負担すると答えた男子学生は9割以上。全女子学生が結婚・出産後も仕事を続けたいと回答!

Q3.何歳くらいまで仕事を続けていたい?

このクエスチョンは、グループの中でも意見が分かれるものとなりました。「体力が続くまでは働き続けたい」という学生が多くいた一方で、「40歳までに一発当てて、あとは自由に生きたい」という学生も予想以上に多くいました。

ただ、「一発当てたい」とした学生も、リタイア生活を送りたいわけではなく、少額の収入を得ながら趣味や家族、社会活動などに時間を充てたいという、“働き続けたい”派の意見でした。

 

学生a
60、70代になったら、海外(アジア)へ行って働いて、そこで死にたい。

学生b
『働いてお金を貯めて、休憩。また働いてお金を貯めて、休憩』を繰り返したい。老後は負担のない程度に死ぬまで働きたい。

 

ゼミ仲間の様々な意見を聞いて、お互いを知り、刺激を受ける“良いきっかけ”にもなったよう。

“ずっと働くこと”へのマイナスイメージを払拭

授業を終えたあと、学生からは「人生100年時代」について学び、具体的にイメージしながらディスカッションすることで、今まで漠然としていた将来のイメージを前向きに考えるきっかけになった、また長く働くことへのマイナスイメージが払拭されたという感想をもらいました。

以下、一部を紹介します。

  • これから変化する時代に対応しなければ「人生100年時代」を生き抜けないということを学びました。今までの定説や常識を超えた考えや価値観を広く受け入れ、実践する姿勢でどんどん新しいものを取り入れていきたいです。
  • 雇用される、雇用されないだけではなく様々な生き方の選択ができるようになる時代。今回の授業で100年を生きることへのマイナスイメージが払拭できました。
  • 100年人生となり、自分のやりたいことをたくさんできると考えるとワクワク!死ぬまでにやりたい仕事、やりたいこと全てやります!
  • ゼミの仲間は柔軟な考え方を持っているんだということに刺激を受けました。私も、今までの常識を超え、様々なチャンスを掴んで挑戦していこうと思います。

 

<授業を終えて。ライフシフト・ジャパン大野誠一>

大野
現役の学生さんにとって、「100年ライフ」はまだまだ遠く、具体的なイメージを持つことは難しいのかなと感じる場面もありましたが、授業のあとの皆さんのコメントを読むと、新しい情報を吸収して、どんどん自分なりに発想を広げていく若い感性に驚きました。

今回の授業に参加した彼らは、『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)100年時代の人生戦略』に登場する3人の登場人物の中で一番若い「ジェーン」と同じ歳。リアルに「人生100年時代」を体験する彼らが、先の見えない時代と向き合って、より柔軟に、変化に富んだ人生を楽しんでくれることを願っています。

 


今回の特別授業だけでなく、講演会やメディア出演など、ライフシフト・ジャパンのメンバーは今後も「人生100年時代のライフシフト」について常に情報発信を続けます。

ライフシフターと直接話せるイベント「LIFE SHIFT LIVE」も月1回ペースで開催していますので、是非、皆さんもご参加ください。

↓ 次回は8/2(水)WeWork Shimbashiにて、第3回「LIFE SHIFT LIVE」を開催します。くわしくは下記ページをご覧ください。