去る12 月4日、ライフシフト・ジャパンは、設立1周年と、第一弾となる書籍『実践! 50歳からのライフシフト術』(NHK出版)の発売を記念して、スペシャル・イベントを開催しました。来場者は若手からシニアまで幅広く、会場のキャパシティ一杯の100名を超えました。第一部、第二部含め、約4時間にわたった同イベントの中身を紹介します。

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【第一部】日本版ライフシフトの法則フォーラム

1.開会挨拶~「人生100年時代」の不安を期待に

<開催レポート>ライフシフト・ジャパン設立1周年&書籍出版記念イベント「日本版ライフシフトの法則」を開催しました最初に登壇したのは、ライフシフト・ジャパン取締役会長の安藤哲也である。35歳の時に子どもが生まれ、育児と仕事の両立を志すようになり、2006年に父親による子育を支援するNPO、ファザーリング・ジャパンを設立している。

「2年前、リンダ・グラットン著の『ライフシフト』を読んで感動し、友人だった大野に何かやろうぜと呼びかけ、昨年10月につくったのがこのライフシフト・ジャパンです。その基盤にあるのが『人生100年時代』という考え方ですが、私たちの調査によると。それに期待する人が3割、逆に不安に思う人が7割という結果になりました。私たちの活動を通じて、不安を期待に変えていきたい」

2.ライフシフト・ジャパン1年間の活動報告

<開催レポート>ライフシフト・ジャパン設立1周年&書籍出版記念イベント「日本版ライフシフトの法則」を開催しました次はこの日より安藤からバトンを受け継いで、ライフシフト・ジャパン代表取締役CEOに就任した大野誠一がマイクを握る。

「われわれはライフシフトを『人生の主人公として、「100年ライフ」を楽しむこと』と定義しています。われわれのビジョンは『ライフシフト社会』を創ること。そのための様々なサポートを個人や法人向けに行っていくことがわれわれのミッションです」

この1年は、ライフシフター(ライフシフトを成し遂げた人)へのインタビュー、そうした人たちを招いてのライブイベント、ライフシフトの法則を探った書籍(『実践!50歳からのライフシフト術』)の発行、「100年ライフ」に対するイメージ調査を行ってきた。

「それに加え、本日、キックオフする研究会があります。就業人口の9割が会社員というこの国において、ライフシフト社会を実現するためには、会社のあり方そのものを変えていかなければならない。本日、パネリストとして来られている方々とともに研究会を立ち上げ、その姿を考えていきたい。題して「『カイシャ』の未来研究会2025」です」

3.「100年ライフ」イメージ調査発表

<開催レポート>ライフシフト・ジャパン設立1周年&書籍出版記念イベント「日本版ライフシフトの法則」を開催しました続いて、ライフシフト・ジャパン取締役の豊田義博が登壇する。

この11月に行った「100年ライフ」イメージ調査[PDF] の概要を説明する役回りだ。調査は首都圏で働く20代から60代の男女1000名から回答を得たもので、豊田によると、「人生100年時代」という言葉の認知度は約8割と高いものの、先の安藤の話の通り、「不安である(どんよりする)」と答えた人が約7割で、「期待している(ワクワクする)」の3割を大きく上回った。また、年代別に見ると、20代と60代はワクワクが強いが、その間のミドル世代は弱い。役職別に見ると、管理職はどんよりだが、専門職はワクワク、という興味深い結果も出た。

ライフシフトを成し遂げるためには、「変身資産」を所有していなければならない。絶えざる変化を受け入れ成長し続けるための考え方や行動特性のことで、ライフシフト・ジャパンはそれらを10項目にまとめている。

「その最たるものが、思い立ったらとにかくやってみる、ということです。ワクワク派は自分もその通りと見なす割合が高く、どんより派は逆に低い、という結果になりました。他の9項目の変身資産についても同じ結果になりました。つまり、変身資産を豊かに持っている人ほど、人生100年時代をポジティブに認識しているということです」(豊田)

かけ足の説明だったが、内容は簡にして明、発表内容に多くの人が頷いていた。

4.パネルディスカッション Part1

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【パネラー】

  • 島田由香氏(ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社 取締役人事総務本部長)
  • 田中研之輔氏(法政大学キャリアデザイン学部 教授)
  • 宮城治男氏(NPO法人ETIC 代表理事)
  • 和光貴俊氏(ヒューマンリンク株式会社 代表取締役社長)

【司会】

  • 大野誠一(ライフシフト・ジャパン株式会社)

さて、時計は午後5時を廻り、本日のメインコンテンツであるパネルディスカションの時間となった。まずはパート1である。

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大野がまず田中氏に問いかけた。「『ライフシフト』はイギリス人の手になる本だが、日本の読者が読み解くポイントは何か」と。

「打ち合わせなしでその質問ですか。無茶ぶりですね(笑)。著者のリンダ自身、高齢化する日本社会を一つの先進的ケースと見ているようです。人生100年を豊かな時代にしよう、というメッセージを素直に受け取るべきではないでしょうか」。(田中氏)

 

<開催レポート>ライフシフト・ジャパン設立1周年&書籍出版記念イベント「日本版ライフシフトの法則」を開催しました次は島田氏である。

「島田さんはよくパーパスという言葉を使います。そのパーパスとライフシフトの関係について教えてください」という大野の問いかけに、島田氏はこう答えた。「パーパスは日本語にすると『存在意義』です。あらゆる組織にはパーパスがあってミッションがあって、ビジョンがある。個人レベルでいえば『生まれてきた理由』でしょうか。パーパスの探究こそ、ライフシフトの基盤になるものでしょう」

<開催レポート>ライフシフト・ジャパン設立1周年&書籍出版記念イベント「日本版ライフシフトの法則」を開催しました学生時代にETIC.(エティック)を自ら立ち上げ、学生も含めた起業志望者への支援を25年間行ってきた宮城が話し出した。

「われわれの支援の対象になっているのが、まさに自分のパーパスに向き合っている高校生、大学生たちです。まだ若いのに、社会貢献意識が高い。お金儲け至上主義の会社には絶対に入ろうとしません。逆に1990年代にわれわれが支援していたITベンチャーの経営者はパーパスを確認しないままで会社を作り、株式公開してしまった。その結果、大儲けはしたけれども、これから何をしたらいいかわからないというジレンマに陥っています」

<開催レポート>ライフシフト・ジャパン設立1周年&書籍出版記念イベント「日本版ライフシフトの法則」を開催しました続く和光氏はライフシフトに必要な変身資産の一つ、「学んだことを捨てられる勇気を持っていること」に言及した。「その“学び外し”ができないと、次のステップになかなか進めません。自戒も含め、大企業人にその傾向が強いですね」

<開催レポート>ライフシフト・ジャパン設立1周年&書籍出版記念イベント「日本版ライフシフトの法則」を開催しましたここから話題は変身資産に移っていく。田中氏が話す。「変身とはshiftを日本語にしたのだと思いますが、緩やかな変身でいいと思います。英語でいうと、transitionに近い。資産は英語でいうcapitalであり、完成したものというよりは、貯めていくものというイメージでとらえています」

「貯めていくというイメージはその通りです」と大野が同意し、「そういう資産を貯めていくことを日頃から意識していますか」と島田氏に問うと、こんな答えが返ってきた。
「まったく意識していません。そこまで定義して分類すると、身につけなければ肩身が狭くなってしまうものになり、却って逆効果ではないかと。まずは自分の豊かな可能性に目を向けることが大切なのではないでしょうか」

宮城氏が同意する。「社会起業家の人たちは、社会課題の解決に使命を感じているわけですが、その原点は、その課題に取り組むこと自体が好きということなんです。好きなことを追求したら、たまたま社会起業家になっていた。それと同じで、好きなことを追求すると自然に変身資産が豊かになるのではないでしょうか」

大野が、大企業の課題と絡めて、和光氏にコメントを求めた。「大企業には優秀で、さまざまな経験を積んできた人材がたくさんいる。そういう人たちは第二のキャリアは地方や中小企業、はたまたNPOに行くべきだ、という議論がさかんですが、活躍できる保証はありません。つい最近、研修の一環で奄美大島に行き、地元の人たちから話を聞いてきたのですが、行政と地元の間にあるギャップがあまりに大きいのにびっくりしました。組織の大小に関わらず、そういうギャップに気づき、行動できる人が社会起業家たり得るのでしょう。ライフシフターも同じことです」(和光氏)

5.ライフシフト実践のための4つの法則

ここまで約30分が経過し、パネルディスカッションのパート1が終わると、再び豊田が登壇、「ライフシフト実践のための4つの法則」について報告する。

件の法則は、ライフシフト・ジャパンが最初に世に出した本『実践!50歳からのライフシフト術』を共同執筆する過程で浮かび上がってきたという。

第一の法則は、「ライフシフトは5つのステージを通る」。5つとは、①こころが騒ぐ、②旅に出る、③自分と出会う、④学びつくす、⑤主人公になる、をいう。

第二の法則は「旅の仲間と交わる」。仲間とは、本人の使命を気付かせてくれる「使者」、ことを一緒に進めて行く「ともだち」、困った時に助けてくれたり、日頃から応援してくれたりする「支援者」、物の考え方やあるべき姿を諭してくれる「師」、未来の姿を指し示す「預言者」、貴重なヒントやアイデアを授けてくれる「寄贈者」、本人にダメ出しを行い、シフトの本気度を高めてくれる「門番」の7種類いる。

第三の法則は「自分の価値軸に気づく」。価値軸とは、心の奥底から湧き上がってくるような、「こうしたい」という強い思いのこと。豊田によれば、社会価値、個性価値、生活価値の3つに大別される。「人を育てたい」「社会に貢献したい」というのは社会価値であり、「好きな仕事をしたい」「これまでの経験と培った能力を生かしたい」というのは個性価値になる。「家族とともに暮らしたい」「故郷に帰りたい」「親により添う」というのは生活価値といえる。

最後、第四の法則は「変身資産を生かす」。とにかくやってみる。どんなことからも、何ごとかを学び取り、時には苦労して学んだことも捨てる勇気も兼ね備えている。そうした変身資産を生かすことがライフシフトを促進させるというのだ。

これら4つの法則の関係は、というと、「第二、第三、第四の法則は第一の法則を実現させるエネルギーのようなものです」(豊田)

6.パネルディスカッション Part2

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【パネラー】

  • 有沢正人氏(カゴメ株式会社 常務執行役員 CHO最高人事責任者)
  • 中根弓佳氏(サイボウズ株式会社 執行役員 事業支援本部長)
  • 藤井薫氏(株式会社リクルートキャリア リクナビNEXT編集長)
  • 豊田義博氏(ライフシフト・ジャパン株式会社)

【司会】

  • 大野誠一氏(ライフシフト・ジャパン株式会社)

続いて、5時50分から、この法則を題材としたパネルディスカションのパート2がスタートした。大野が口火を切る。「『旅の仲間たち』の具体例は、世界の神話の構造を解き明かしたジョセフ・キャンベルという学者の研究から来ています。その研究をもとにした脚本で大ヒットした映画がかの『スター・ウォーズ』なんです。同質的なネットワークからは新しいものが生まれないという教えでもあると思います」

<開催レポート>ライフシフト・ジャパン設立1周年&書籍出版記念イベント「日本版ライフシフトの法則」を開催しました有沢氏が自身の体験に引きつけて話し始めた。

「カゴメに入ってから私は人材のユニークネスを大切にしてきました。誠実で優しい。これがカゴメの典型的社員でしたが、私はあえて違うタイプの人材を採用しようとしてきました。新人はそれでいいのですが、問題はミドル以上の人たちです。いくら研修をしても、ユニークでない人をユニークにさせるのは難しい。上から『こうなれ』と言っても人が変わるはずがありません。そういう意味では、このライフシフトの法則は企業人が、企業内でのキャリアを豊かにするためにも有効だと思います」

<開催レポート>ライフシフト・ジャパン設立1周年&書籍出版記念イベント「日本版ライフシフトの法則」を開催しました中根氏の所属するサイボウズは100人の社員に対し100通りの人事制度を用意する、というユニークな企業だ。

その中根氏に「御社みたいな企業だと、旅の仲間が社内ですぐに見つかりそうですが」と大野が尋ねる。それに対して中根氏が答える。

「待っていて見つかるものではないと思いますよ。うちの制度もそうで、何も100通りのメニューが揃っているわけではなく、社員一人ひとりが、どのくらい働きたいか、副業はしたいか、どのくらい稼ぎたいか、といった『働き方の理想像』を自分で描けないと選べません。先ほど島田さんが指摘された個人レベルのパーパス、ミッション、ビジョンを決められる人でなければ難しいでしょう」

<開催レポート>ライフシフト・ジャパン設立1周年&書籍出版記念イベント「日本版ライフシフトの法則」を開催しましたリクルートキャリアの藤井氏は転職情報誌編集の現場に長く身を置いてきた。大野から、転職志望者の意識の変化について聞かれた藤井が話す。

「企業の規模や知名度を重視する流れは今も根強く残っています。ただ、本心を深く聞いてみると、本当の自分に出会いたいというむずむずした気持ちから転職を志す人が多くなっています。20年前、雑誌のインタビューでリナックスの創始者、リーンナスー・トーバル氏に取材したことがあります。なぜリナックスを開発したのですか、という質問に対し、彼は小さな声でこう答えました、Just for fun(楽しいからです)と。そんな人が増えているのでないかと思います」

続いて大野は、いまカゴメで、外国人の採用に力を入れている有沢氏に、日本人と外国人の違いについて尋ねる。有沢氏からはこんな答えが返って来た。「カゴメでは日本人の社員1850名に対し、外国人がすでに600名もいます。外国人の社員はいい意味での公私混同ができています。仕事か私生活かではなく、どちらも大切、ともに人生を楽しくする手段という意識が根付いています。ダイバーシティという言葉も、海外ではほとんど使われません。自分は人と違って当然であり、誰かのコピーは御免だという感覚で働いています」

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続いて中根氏に対し、先述した100人100通りの人事制度の運用に関して、それがうまく機能するきっかけについて、大野が聞いた。「当社が副業を認めた時のことをお話しましょう。最初に、社内が副業をやる人は裏切り者だという雰囲気になりました。しばらく経って、副業実践者が成果や気づきを社内で明かすようになると、今度は誰でも彼でも『副業やらなければ』という状態に変わりました。それが最近は、『やりたい人はやればいい』『私はいま本業が面白いからそっちに集中する』という流れになっています。選択肢を増やし、社員がそれを使いこなすのを見守る。それをライフシフトの手段にする人もいれば、自分には合わないと使わない人もいる。活用を強制するのではなく、機会と情報を用意し、考えるきっかけを与える。これが重要ではないでしょうか」

今度は大野が藤井に尋ねた。「転職もライフシフトの有効な手段になり得ると思います。藤井さんどうですか」

「その通りだと思います。禅宗に、修行を初めてから悟りを得るまでを十枚の絵と詩で描いた十牛図というものがあるんです。牛を探してつかまえに行くという話なのですが、心牛といって、探し求めていた牛は最後には自分の心にあったことがわかる。転職活動は、心牛を探り当てるプロセスとも言えます。自分視点、他人視点、公の視点、この3つが重なったところに、自らの進むべき未来が見えてくると思っています」

7.第一部クロージング

第一部の最後に、大野がライフシフト・ジャパンがこれから提供するサービスの概要説明を行う。

まずは個々人がその人らしいライフシフトを遂げるためのワークショップである。そのために欠かせないのが自分をよく知るためことであり、ライフシフト・ジャパンはそのための自己診断ツールを用意した。ライフシフトを促進するマインドセットと逆に阻害するマインドセット、その双方がわかるアセスメントツールである。

一方、その個人が働く会社も変わらなければならない。来年1月から「『カイシャ』の未来研究会2025」を4回開催し、5月20日に会社の未来に関する提言シンポジウムを開催する旨を伝え、6時半きっかりに第一部の全プログラムが終了した。

【第二部】ネットワーキングパーティ

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サイバーエージェント・曽山哲人氏の乾杯で開宴

続いて30分の休息を経て、午後7時から隣の部屋に場所を移しての第二部となった。セルフサービスの食事と飲み物が供されたネットワーキングパーティである。乾杯の音頭をとったのは『カイシャ』の未来研究会2025」のコアメンバーの1人でもある曽山哲人氏 (サイバーエージェント取締役 人事統括)だ。

「ライフシフターは50代、60代になっても生き生きと活動している。それは、社員の平均年齢が上がる会社にとっても重要なことで、ライフシフト・ジャパンは必ずやわれわれ企業とも大きな接点を持つようになるでしょう」と述べた後、元気な声で乾杯と叫び、皆が後に続いた。

歓談の時間である。会場には、一部のパネルディスカッションのパネラーをはじめ、これまでライフシフト・ジャパンのWEBサイトのコンテンツ「ライフシフター・インタビュー」に登場したライフシフターの姿もあり、あちこちで話の花が咲き、名刺交換をする姿が見られた。

書籍「実践!50歳からのライフシフト術」紹介

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一時間ほどが経ち、今回のイベント開催のきっかけともなった書籍『実践!50歳からのライフシフト術』の内容が、著者の一人、ライフシフト・ジャパン執行役員CMOの河野純子から改めて紹介された。「著者の大野、豊田、そして私は今から20年前、リクルート時代にそれぞれ求人誌の編集長として机を並べていた仲間です。全員が50代になった今、我がこととしてこのテーマに共に取り組めたことをうれしく思います」。

「ぼーっと生きてんじゃねーよ!」版元、NHK出版からのご挨拶

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続いて、同書の版元、NHK出版の編集長、米村望氏とその上司、執行役員 編集局部長の江藤厳二氏が挨拶する。江藤氏が「本を一読し、つい最近60歳を迎えた私は、(NHKテレビの人気キャラクター、チコちゃんの声色で)『ボーっと生きてんじゃねーよ!』と言われた気分です」と言うと会場がどっと湧いた。米村氏は「この本の影響で私も近いうち、ライフシフトするかもしれない」と述べ、拍手を浴びた。

書籍に登場した5人のライフシフターも

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続いて第二部のメインゲストが紹介される。件の書籍に登場する22人のライフシフターのうち、5人がこのイベントに駆けつけてくれたのだ。

総合商社を経て52歳で貿易会社を立ち上げた三浦陽一氏、憧れの町だった京都に62歳で移住し、鴨料理店店主と研修講師という二足の草鞋を履く若月誠氏、55歳でソニーを辞め、ベトナムを拠点に現地への技術指導と日本語教育を行う中田敏行氏、55歳で大手企業を退職し家族全員で乗馬クラブを立ち上げた長谷川一誠氏、51歳の時に東京から、縁もゆかりもない新潟に移住して農業に目覚め、「作る人と食べる人」をつなぐ活動に従事する手塚貴子氏である。

自己紹介を兼ねた各自のスピーチは、ライフシフトの当事者の言葉だけに重みがあり、それぞれのスピーチの後にはひと際大きな拍手が起こった。

ONE JAPANの発起人、濱松誠氏がライフシフト宣言

しばしの歓談をはさみ、8時40分頃に最後のゲストが登場する。大企業の若手有志が集まり、さまざまな活動を行うONE JAPANの発起人、濱松誠氏である。

大学卒業後にパナソニックに入り、組織活性化のための有志の会「One Panasonic」を発足させた。それを社外にも広げたのがONE JAPANで、現在、約50社に所属する約1000名が集う。

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「お世話になったパナソニックを今年で退職することにしました。同じく会社を辞めた妻とともに、来年は日本一周と世界一周の旅に出る予定です。私はまだ30代です。ライフシフトに年齢は関係ありません」

濱松氏の意外な言葉に拍手が巻き起こる。ライフシフト「第一の法則」は、「ライフシフトは5つのステージを通る」。濱松氏はまず「こころが騒いだ」のだろう。だから、「旅に出る」のだ。そこで、新たな「自分と出会う」だろう。そこから「何かを学びつくし」、しばらくしたら、新たな人生の「主人公」になっているはずだ。

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最後は21時までご参加いただいた皆様との記念撮影をして、4時間のイベントはお開きとなりました。パネラー、ゲストの皆様、そしてご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

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(文/荻野進介、撮影/刑部友康)