4月17日(金)20時~、ライフシフト・ジャパン初のオンラインイベント「45歳からのひとり起業術~小さく長く自分らしく」@Zoomを開催しました。募集開始からわずか3時間で30名の定員が満席となり、50名に増枠しての開催という期待値の高さに、スタッフ一同緊張しながら当日を迎えましたが、ご参加いただいた皆様はZOOMにも慣れていらっしゃり、特にトラブルなく運営することができました。皆様、ご協力ありがとうございました。

今回のゲストは、49歳でサントリーを退職され、人と人を結びつける「案内人」として『ひとり起業』された渡辺幸裕さん(ライフシフターインタビューはこちら)。ご参加いただいたのは、起業を考える40~50代の会社員の方が中心でしたが、起業後20年にわたって活躍を続ける秘訣を伺いたいと、すでに起業されている方もいらっしゃいました。また北海道や関西エリアからの参加者もいらっしゃり、オンラインだからこそ実現した充実の会となりました。

後半のオンライン懇親会には、サプライズで「獺祭」で知られる旭酒造の桜井一宏社長も参加され、『獺祭飲みくらべセット』プレゼントの発表も! 楽しいひと時を演出いただきました。

以下、詳細をレポートします。またまだまだ改善点はありますが、今回の盛会をうけまして、ライフシフト・ジャパンは今後も続々とオンライン企画を実施していきます。時間のできた今だからこそ、じっくり100年ライフを考える機会を提供できればと考えています。ご期待ください!

 

【45歳からの『ひとり起業術』~小さく長く自分らしく」開催レポート】

■オープニングトーク(20:00~20:15)

大野誠一(ライフシフト・ジャパン代表取締役CEO)
ライフシフト・ジャパンの活動の紹介とともに、「人生100年時代のライフデザイン」のポイントについてお話ししました。

■ゲストトーク(20:15~21:00)

渡辺幸裕さん(69歳/株式会社ギリー代表)をお迎えし、河野純子(ライフシフト・ジャパン執行役員CMO)が聞き手となって、事前に参加者の皆様からいただいた質問にお答えいただきました。以下その抜粋です。

Q 大手企業を49歳というまだまだこれから面白い仕事ができそうなときに、どうして退職するという決断ができたのですか?

いつかは会社とGood-Byeする時が来るわけで、それなら体力もあるうちに早く辞めたほうがいいとは思っていました。具体的に会社の枠組みを超えた仕事をしたいなと起業を意識し始めたのが45歳ぐらい。その後、お世話になった佐治敬三さんが亡くなるといった出来事が重なったタイミングが49歳だったということです。選択定年制を利用して辞めました。

Q 安定した会社を辞めることに、いわゆる「嫁ブロック」はなかったですか?まだお子さんの教育費もかかる年代ですから、経済的な不安もあったのではないかと思います。

「嫁ブロック」はなかったですね。それまでの自分の姿を見て、理解してくれていたのでしょう。もちろん経済的な不安はありましたが、多額の初期投資が必要な仕事ではなく、退職金だけで立ち上げられた点はよかったですね。起業を準備する中である程度、顧客の目途もたっていました。

Q 強制的にシフトさせられそうなのですが、自分に何ができるのか、何をやりたいのかわかりません。渡辺さんはどうやって「案内人」という天職を見つけることができたのでしょうか。

時代を見越して、やりたいこと、できること、食っていけることを探すことが大事です。
何を見つけるかはセンスも必要。自分の場合は、「人を紹介してほしい」と頼まれることが増え、人と人を結び付けた結果、新しいものが生まれていくことを経験して、ビジネスニーズを感じたことがきっかけでした。それと自分の強みや弱み、それを支えてくれる人を知るために「キャリアの棚卸し」をしました。「棚卸し」は自分史を作るためにやるのではなく、これから先を考えるためにやるのです。独立するときにつくった「棚卸しシート」は、今も常に更新して、A4用紙1枚にまとめてあります。

Q ライフシフト・ジャパンのワークショップに参加したときに、18枚の「価値軸カード」を使って自分のライフシフトの方向性を見つけるワークをやりました。渡辺さんは独立する際に、どんな価値軸を大切にしましたか?

【開催レポート】LIFE SHIFT LIVE「45歳からのひとり起業術~小さく長く自分らしく」@Zoomを開催しましたこのカード、面白いですね。時期ごとに6枚ずつ選んでみました。常に変わらないカードが4枚、その時々で変わるカードが2枚という結果でした。

会社員時代 独立時 現在
気になるテーマで 気になるテーマで 気になるテーマで
何かを生み出す 何かを生み出す 何かを生み出す
夢中になれる 夢中になれる 夢中になれる
仲間とともに 仲間とともに 仲間とともに
仕事も生活も 経験と能力を活かす 誰かのために
好きな場所で 自分の裁量で 社会のために

会社員時代に「好きな場所で」があるのは、先輩に「会社の机は一番仕事ができない場所。喫茶店でもいいし、バーのカウンターでもいい。自分が仕事をしやすい場所を見つけろ」と言われ、意識していたからです。独立時は、これまでの自分の経験を活かして、自分の裁量で働きたいという思いが強くなりました。もうすぐ70歳という節目を迎える現在は、「誰かのために」「社会に貢献」という思いが強くなっています。

Q 45歳から起業を意識しはじめて、実際に起業するまでの4~5年の間の準備期間にやられたことはありますか?

できるだけさまざまな業界の人に会うようにしていました。本や映画も楽しんで、フットワーク軽く、いろいろなものにアンテナを張っていました。それから、起業を意識していたからということではないですが、自分がどんなネットワークを持っているのかをこまめに整理していましたね。具体的には名刺のデータインプット。当時はしりのMacのファイルメーカーというソフトで会ったシーンや特徴などをメモしていました。独立時は1,500人分くらいのデータを持っていましたね。今は27,000件です。それと、起業準備に時間を使うために付き合いゴルフをやめました。手首を痛めましたと言って(笑)。

Q 20年も長く続けていく秘訣をお聞かせください。

魔法のような秘訣はないですね。相手のあることは思い通りにはならない。だから、イヤにならないということが大切です。うまくいかないことの方が多いのだから、ダメだった時も理由を考えて前向きに生かす。それから、「とりあえず」は禁句。キーワードは「シリーズ&リピート」です。一回じゃダメ。あとは、全く不得意なことはやらない。嫌なことを断ると、いい仕事が入ってきます。頭がかき乱されるようなことに煩わされなくなるので。

Q 会社にいる間にしておくべきことはありますか?

まず、健康管理。会社は何でもやってくれますが、独立すれば、自分で自分の身を守るしかありません。ちゃんと健康診断を受けること!それから、「経費を使わない習慣をつける」。会社に甘えず、コスト意識を持つ。会社員時代から、「生き金」としてお金を使うことが大切です。そして45歳からの起業ともなると、「若気の至り」ではないので、何をしてきた人物なのか、外の人はシビアに見ているものです。会社員時代から、真剣に仕事と人に向き合うこと。あとは常に笑顔で。可愛げが大事です。

Q 渡辺さんの行動の原動力をお聞かせください。

好奇心ですね。長く生きていると、いろいろな出会いが蓄積される。「この人とこの人をどう紹介すると、新しいことができるだろうか」。それを考えていたら、次々とやりたいことが湧いてきます。

■オンライン懇親会(21:00~22:00)

オンライン懇親会には、30名ほどが参加されました。まずスペシャルゲストの旭酒造の桜井一宏社長のご挨拶からスタート。その後、ZOOMのグループ分け機能を活用して5つのグループに分かれ、自己紹介やゲストトークの感想などをお話しいただきました。各グループにはライフシフト・ジャパンのメンバーもファシリテーターとして参加。また渡辺さんには順番に各グループを訪問していただき、直接質問できる時間も設けました。

お酒を飲みながらのリラックスした45分間の懇親タイム。話題は、今の新型コロナの拡大によって働き方や意識がどう変わっていくのかといったテーマに広がっていったグループもあったようです。

最後の15分は再び全員が1つのグループに戻り、各グループの話題をシェア。旭酒造の広報・千原英梨さんより、「アンケート回答者のなかから5名様に『獺祭飲みくらべセット』をプレゼント」という発表があり歓声があがったところでお開きとなりました。

【開催レポート】LIFE SHIFT LIVE「45歳からのひとり起業術~小さく長く自分らしく」@Zoomを開催しました

■参加者からのコメント(抜粋)

  • なかなか男性で会社員から起業した方のお話を聞く機会が少なかったので、とても共感する点やためになる点があり楽しめました。地方在住ではなかなかこのような機会がなく、オンラインで参加できたのは本当に感謝です。
  • 実践者のお話を具体的に伺え、それをベースに自分と同じように今後のライフシフトについて考えている人達と意見交換をする場が持てました。これからを考えるあるいは考え直すキッカケになりました。
  • 既にライフシフトしている参加者が多く、ライフシフトや起業を非常に身近に感じられました。
  • 自分にとっても、キャリア支援を志す身としても参考になった。
  • 人生100年時代というテーマに悩む(同じ価値観を持つ)友人は多いが、外部でのセミナーなどへの参加は、少なからず参加障壁が存在する。オンラインは自宅から気軽にアプローチ可能であること、また今はコロナ対策で夜の時間が十分にあることから、参加しやすい。
  • 参加者の年齢層が落ち着いており、話しやすかった。
  • ゲストのトークが非常に有意義だったのと、懇親会でも気づきがあった。
  • とてもスムーズに感じました。オンライン懇親会で、各グループにライフシフト・ジャパンの方が一名ずつファシリテーターとして入ってくださったのはとても良いと思いました。
  • おもしろい試みに、楽しんで参加しました。少人数グループでの懇親会、できるものなんですね。