令和の時代は、「人生100年時代」がリアルな現実になる時代です。その幕開けに、日本の雇用が揺れています。経団連・中西会長の発言、そしてトヨタ自動車・豊田会長の発言。日本の中核的経済団体、および日本を代表する企業のトップによる相次ぐ「脱終身雇用宣言」は、日本がこれまで大切にしてきたシステムが終焉の時を迎えたことを表しています。「カイシャ=日本的雇用システム」と「個人」の関係は、根本的な変革の時を迎えているのです。
「人生100年時代」における「カイシャ」と「個人」の関係は、どう変わっていくべきなのでしょうか。私たちライフシフト・ジャパンは、2018年12月から「カイシャの未来研究会2025」の活動を通じて、様々な議論を続けてきました。このたび研究会のこれまでの議論をシェアし、その議論を発展させるための拡大フォーラムを開催いたします。「人生100年時代」の未来を切り拓いていこうとする、多くの皆さまの参加をお待ちしています。
<開催概要>
- 日時:2019年7月1日(月) 18:30〜20:00
- 会場:朝日生命大手町ビル2階「fabbit Grobal Gateway “Otemachi”」
- 内容:
①「カイシャの未来研究会2025」が考える「人生100年時代」の「カイシャと「個人」の関係
②上記を踏まえた、参加者のみなさまとのディスカッション - 対象:企業の革新を実践しようとする経営者、起業家、企業の経営企画、事業戦略、人事などの皆さん、新しいライフデザインを考える学生、社会人の皆さん
- 参加費:無料
- 定員:150名(満席となりました。お申込みありがとうございました)
- 参加お申込み:下のリンク先からお申し込みください(予約制)
<カイシャの未来研究会2025・コアメンバー>
有沢正人氏 (カゴメ:常務執行役員 CHO最高人事責任者) |
島田由香氏 (ユニリーバ・ジャパン:取締役 人事総務本部長)※ |
曽山哲人氏 (サイバーエージェント:取締役 人事統括) |
田中研之輔氏 (法政大学キャリアデザイン学部:教授) |
中根弓佳氏 (サイボウズ:執行役員 事業支援本部長) |
野田稔氏 (明治大学専門職大学院グローバル・ビジネス研究科:教授※ |
藤井薫氏 (リクルートキャリア:HR統括編集長) |
宮城治男氏 (ETIC.:代表理事) |
和光貴俊氏 (ヒューマンリンク:代表取締役社長/三菱商事:人事部付部長) |
豊田義博 (ライフシフト・ジャパン:取締役) |
(主査) 大野誠一 (ライフシフト・ジャパン:代表取締役CEO) |
※の方は、当日不参加となります。
<主査/ライフシフト・ジャパン代表取締役CEO大野誠一よりメッセージ>
確実にやって来る未来、「人生100年時代」。令和の時代は、「人生100年時代」がリアルな現実になる時代です。そんな令和の時代の幕開けに、日本の雇用が揺れています。経団連・中西会長の発言、そして、トヨタ自動車・豊田会長の発言。日本の中核的経済団体、および、日本を代表する企業のトップによる相次ぐ「脱終身雇用宣言」は、日本がこれまで大切にしてきたシステムが緩やかな終焉の時を迎えたことを表しています。「カイシャ=日本的雇用システム」と「個人」の関係は、根本的な変革の時を迎えているのです。
昭和の時代、日本的雇用システムは、長く、日本社会に「安心」をもたらし続けてきました。個人には、雇用の保証、年功的な賃金による生活の安定という物質的な「安心」をもたらすだけではなく、家族主義的な組織風土による居場所の確保、存在論的不安の解消という精神的な「安心」をもたらしていました。この物質的かつ精神的な「安心」=キャリア・セーフティーを、高度成長期から今日に至るまで、たくさんの人が享受してきました。
そして、カイシャは、その対価として個人の異動・転勤などの選択権を握り、配置の自由度の高い貢献的な人的資源を安定的に確保できるという「安心」を獲得し、生産性を維持、向上させ、安定成長につなげてきました。
この相互協調的な「安心」の仕組みは、しかし、平成時代の到来とともに、きしみ始めました。バブル崩壊、右肩上がりの成長の終焉とともに、雇用保証は揺らぎ始めました。同時に、サービス経済化の進展により、非正規雇用の需要が増大しました。「安心」を享受できる人が減少し始めたのです。「安心」を得ているかに見えた正社員にも異変が訪れました。成長の鈍化はポスト不足を引き起こし、大卒者であっても昇進昇格できない人たちが激増しました。成果主義の導入、雇用調整などにより職場は淀み、今やカイシャは「安心」を得られる場所ではなくなっています。
そして、「脱終身雇用宣言」。
「人生100年時代」がリアルな現実となる令和時代に求められるのは、「カイシャ」と「個人」の全く新しい関係の創造です。それはどのような形なのか。そしてどうすれば実現できるのか。拡大フォーラムでは、「カイシャの未来研究会」での議論を踏まえ、みなさまとその議論を発展させていきたいと考えています。「人生100年時代」の未来を切り拓いていこうとする、多くの皆さまの参加をお待ちしています。