有賀 達郎(ありが たつろう)さん《No.32》
・J:COM西東京番組「たまろくと人図鑑」司会担当
・PlanT(日野市多摩平の森産業連携センター)コーディネーター
・FM西東京番組「田無神社ラジオ」「Radio東西見聞録」アシスタントパーソナリティ
・FM西東京番組「おとなの喫茶店」スタッフ
・FM西東京「おとなの飲み会」主催
・多摩コミュニティビジネスネットワーク世話人
1950年東京生まれで、現在も東京に在住。大手ラジオ局、自営業、コミュニティFMを経て、現在はケーブルTV司会、コワーキング施設コーディネーターなども行っている。地域のラジオ局FM西東京で、地元に根ざした人と人とのリアルなつながりの大切さに気づき、地域や顔の見える関係を意識して生きている。家族は母、妻、娘。
座右の銘:トレッキング型人生
目標を持って頂上を目指すというのを山登り型人生とすると、山麓をいろいろ歩きながら遠くの山を眺めたり、周りの景色を楽しんだりするように、人生を歩みながらこれぞと感じたものをつかんでそこから変化していくような生き方。いつも頂上(目標)を目指すのではない、また決して彷徨っているわけでもない。
影響を受けた事:阪神淡路大震災の神戸の街。
絶対に確かな物はない。いつ何が起きても当たり前。
J:COM西東京番組「たまろくと人図鑑」https://jinzukan.myjcom.jp/tamarokuto/
PlanT(日野市多摩平の森産業連携センター)http://www.plant-hino.com/
FM西東京 http://842fm.west-tokyo.co.jp/
大学卒業後、文化放送に入社し、営業、スポーツ、制作、報道と15年にわたって現場を経験しました。ラジオ局ということで、知らない人に会い、話を聞くことが出来ることを知りましたし、ラジオ制作は誰にでも出来るもので、決して特別なものではないという事も知りました。
その後自営業となりました。当時はあまり考えずに、何か他の事をやりたかったのかもしれませんが、自分が良いと思った事や物を、ただ情報として発信しているだけでなく、リアルな人のつながりの中で伝えたかったのかもしれません。
しかし、文化放送時代と違って、看板や肩書がない私個人が試されるという事を知りました。また、自分がどんなに良いと確信していても、他の人が同じように良いという訳ではないという事も。つまり、自分はしっかりと自分を持ってこれだ!と感じていても、その自分の話は必ずしも相手には通じない、人はそれぞれ違うという事を実感しました。
この経験は、その後の生き方の基本になっています。
自営業が思うように進展せず、他に何が出来るかを探していた時に、これから開局するFM西東京と出会い、1997年9月、FM西東京に入社しました。開局準備から開局、そして途中は代表取締役も務め、2016年3月までの約19年勤務しました。
文化放送でのラジオのスキルや考え方と、自営業での経験が活きた仕事でした。ただ放送を流せば伝わるというのではなく、リアルな人のつながり、親近感、信頼感などがあって、「その街の役に立つ存在になれると成り立つのがコミュニティFM」という意識で仕事をしていました。
また、この頃には西東京市だけでなく、周辺の北多摩や多摩エリア全体にも人のつながりが出来ました。これは、2010年頃から関わっている「多摩コミュニティビジネスネットワーク」でのつながりがとても大きいと感じています。
住みたい街ランキングに入らなくても良い街がたくさんあって、素敵な人たちが気に入って住んでいる。どの街にも良さがあって、それを知って楽しむ。同じラジオではありますが、コミュニティFMはまったく違う地域のメディアだと思います。
自分では気づいていないものがあると思い引き受けた、2つの仕事
2016年の3月にFM西東京を退職する事が決まり、声を掛けていただいたのが現在の2つの仕事です。
1つは地域ケーブルテレビJ:COMの番組「たまろくと人図鑑」の司会。
たまろくと(西東京・小平・東久留米・東村山・清瀬の5市)エリアで活躍されている方をゲストにお迎えして対談をする番組です。事前の取材打合せと収録、2回お会いしてお話が出来るので、ゲストの方々と打ち解けられるかなという感じがしています。また、これまでFM西東京でお世話になった方たちにもご出演いただいているので、これまでのつながりが活きていてやりがいを感じます。
テレビのレギュラー対談というのは、まったくの未経験で、出来るかどうかわからなかったのですが、声を掛けていただけるという事は、自分では気がつかない何かを感じてくださっていると思い、お受けしました。
また、これまでお世話になった地域の方々にご出演いただけると思い、その方々に喜んでいただけるだろうとも思っていました。
もう1つの仕事は、日野市にあるPlanT(プラント 日野市多摩平の森産業連携センター)のコーディネーター。週3日勤務し、コワーキング施設の利用者の方々が、何か新しい事をPlanTから始められるようなお手伝いをしています。
具体的には、PlanTを利用する方はどんな方なのかという事を、利用者がお互いに知る事が大切だと思い、簡単な自己紹介のトークセッションを毎月実施し、参加者同士の横のつながりをつくれるようにしています。また、利用している方々に役立ちそうな人や、セミナー情報なども紹介しています。まだまだ十分には出来ていないのですが、これまでの人のつながりを活かしてこの地域での仕事をしているという感じです。
日野市に土地勘あるわけではなかったですし、コーディネーターという仕事もやった事がないので、はじめは出来るかどうかわからなかったのですが、信頼出来る人から「公募があるから応募してみたら?」「有賀さんに合うと思うよ」と言っていただいたので、自分では気づいていないものがあるかもしれないと、チャレンジしてみました。
時間的に余裕はないが、ストレスもほとんど感じず楽しむ日々
現在は、たまろくと人図鑑とPlanTの他に、FM西東京や西東京市での様々な企画にも関わっており、時間的にはほとんど余裕がない状況です。しかし、これまでもそうだったのですが、自分が楽しくやっていますし、たぶん誰かのお役に立てているだろうと思っているのでストレスにはなりません。
60代後半なので、肉体面では全体に衰えが始まっていて、意識して身体を動かしメンテナンスが必要です。月に3~4回、30分くらい走るだけでは足りないようですし、アルコールが弱くなってきたのが寂しいと感じる部分ですね。
精神的にはストレスはほとんどないので、恵まれていると思います。出勤すればデスクがある、という訳ではなく、ノマドワーカーのような状況で、PCを持ち歩くようにもなりました。自宅のデスクも、ノマドワークの1つの場所のような感じです。ほぼ毎日なんらかのスケジュールが入っているので、常に予定をチェックしないとわからなくなります。自宅の最寄りの駅から電車に乗る時に、今日はどこで降りるんだっけと自分の中で確認している状況です。
これからの自分の変化も楽しみ。今ここにある事を大切にしていきたい
トレッキング型人生で、節目ごとに何かがあって新しい事をやってきたので、これからどうなるんだろうと自分の変化が楽しみです。自分がよく知らない事でも、楽しそうにやっている方との出会いがいくつもあるので、また新しく何かをやりたくなるだろうな、と思っています。
そして、これまでやってきた事が積み重なって活きているので、今ここにある事を大切にしていきたいです。そうするためには、どのようにでも対応が出来るような、身体と心を保っていきたいです。また、流れの中でどんなものに出会えるかはわからないですが、出会いの時に自分なりの選択を出来るよう、自分自身を磨いておく事が大切だと思っています。
今やっている事を大切に。大きく変化していく時代でも自分の生き方をつかめるように
自分の事から考えると、すべての出来事が役に立っていると思うので、今やっている事を大切にしてください。人生100年時代は常に学んでいく事が大切だと思いますが、学校や教室に通わなくても何でも学びになります。また、世の中が大きく変化していく時代なので、世の中に流されないように、流れの中で自分の生き方をつかめるようにしてください。自分なりの判断が出来るような自分でいられるように。
その重要なキーワードは、「地域」だと思います。自分が関われる範囲を基準に考えると、わりと物事の解決方法が見えてくると思います。地域には驚くほど素敵な人たちがいて、パワフルに活躍されています。ただその方とまだ出会えていないだけです。結構この世の中捨てたもんじゃないなと感じられると思いますよ。