PROFILE

橋本 和宏(はしもと かずひろ)さん《No.014》

・プレイヤーズオフィス太陽と月 代表/コンサルティング・アーティスト
福岡県在住。43歳。家族構成は39歳妻、5歳長女、2歳長男、1歳次男。現在の職業は、得意の心理学を活かしたビジネスコンサルティング。クライエントに評価を下したり、教え込んだりせず、本人の中にある答えを引き出す、心理療法に近い独自のスタイルでコンサルティングを展開している。
また、ラジオパーソナリティとして地元のコミュニティFM局 Air Station Hibiki で「ダイバーシティラジオ 太陽と月」と称するレギュラー番組をもち、働き方改革や女性活躍、発達障害といったトピックについて発信。ひとりひとりが生きたい人生の方向性と、仕事の内容が調和している状態をあらわす「ワーク・ライフ・フィット」という造語を番組内で発表、好評を博し、北九州市役所から2017年度の「女性活躍・ワークライフバランス表彰」個人部門奨励賞を受賞。
下関・北九州、両岸の市役所が主催する、関門海峡の魅力をPRするインターネットメディア「関門時間旅行」にも参画。ライターとしてコンテンツをつくり、インターネットテレビにもタレントとしてレギュラー出演中。
パーカッション奏者としても、レコーディングや、地域イベントへの出演をこなしている。
影響を受けた本や作品:金子みすゞさんの詩が大好きで、特に「灰」という一編が気に入っている。この詩のように生きたい。
影響を受けた本は、アメリカの心理学者 Carl Rogers の “On Becoming A Person” (邦訳あり)
影響を受けた存命人物は、心理学者・精神科医でフォークシンガー・作詞家のきたやまおさむさん。マルチで多面的な生き方が素敵。
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東京大学経済学部を卒業後、大手重機械メーカーで海外営業を担当していました。しかし、長時間労働が当たり前の風土に疲弊して退職。故郷の福岡に戻り、家業を手伝って収入を得ながら、大学院に通って心理学の研究者を目指しました。修士課程をトップで修了、博士課程に進んだところで、家業の経営者であった父親が急逝。急きょ、大学院を退学して跡を継ぐことになりました。
家業は食品小売のチェーン店で、もともと自分の興味ある分野ではありませんでした。そんな中でも、少しでも自分らしさを出そうと、経営会議のメンバー半数を女性にして女性客向けのマーケティングを強化したり、自ら学んで技術経営修士(MOT)の学位とITコンサルタントの資格(ITコーディネータ)をとり、業務のIT化に取り組むなどして、労働生産性15%アップの成果を挙げました。日経新聞のビルで開かれた「日経MJフォーラム」で、こうした成果を講演した経験もあります。
しかしながら、興味のない家業を請われて継いだ跡取り社長の自分は、「自分の人生を生きていない」感覚があったのです。

“跡取り社長”からコンサルタントへ。「幸運を呼ぶコンサルティング」と話題に

経営者は就業規則に縛られないので、自分の人生を自分らしく生きようと、副業・兼業として興味の向くことに挑戦することに。
ちょうどITコンサルタントの資格もとれていたので、公的支援機関に専門家登録をしました。折しも熊本地震が起き、避難して来られた方の創業支援を担当し、喜んでいただけて手応えをつかんだのでした。
さらに、講演やセミナー講師の仕事を皮切りに、ラジオ、ライター業、タレント業などの声も次々とかかりましたが、言葉を使う仕事が好きで、人前で緊張しない性質が幸いして、楽しくこなせるようになりました。結果、楽しめない家業から心が離れ、会社を売却してのライフシフトを決意したのです。
現在は、コンサルティング・アーティストとして、心理療法に近い独自のスタイルでコンサルティングを展開。クライエントを上から見ず、傷つけないように細心の注意を払う方針が支持されてか、女性起業家のクライエントが多いのも特徴です。「自分のやりたいことがハッキリし、人生の展望が開けた」「幸運を呼ぶコンサルティング」などの声が聞かれ、喜んでいただけています。福岡県庁から表彰を受けるなど活躍するクライエントも誕生しています。

自分のやりたいこと、好きなこと、得意なことばかりして過ごすことでこんなにも気持ちが明るくなるとは!

ライフシフトする前、自分に合わない家業で、経営トップという精神的に厳しいポジションを無理してやっていたときには、ストレスがすさまじく、家族に愚痴をこぼしてばかりで、迷惑を掛けていました。看護師と臨床検査技師の資格をもつ妻は、積極的に、「そんなに苦しいなら、会社を手放して、自分の責任であなたらしい仕事を立ち上げるほうがいいんじゃないの?」「いざとなったら、私が働きに出ます。そのときは、子どもたちはあなた、お願いね(笑)」と、私にライフシフトを勧めてきたのです。これは私の大きな支えとなりました。
私のライフシフトの後、妻も、自宅でベビーマッサージ教室を起業。創業支援コンサルティングは、私が無償で担当しました。
家業を手放しライフシフトしてから、仕事も、日々の生活も楽しくなりました。自分のやりたいこと、好きなこと、得意なことばかりをして日々を過ごすことで、こんなに気持ちが明るくなるのか! と痛感しています。自分が得意な心理学と、経営者経験からくるビジネスの知識を活かして、人々に喜んでいただき、クライエントさんの表情が華やぐときや、一生懸命なクライエントさんが受賞などの成果を出されたときには、魂が震えるような感動を覚えます。
今では、平日の日中に時間をつくり、ラジオパーソナリティ仲間が経営するヨガ教室に通うようになりました。これが効果てきめんで、体が引き締まり、顔つきもよくなったと実感しています。人前に出る仕事が増えたので、身だしなみにも気を遣うようになり、子どもに関わる時間もぐっと増えたことで、娘から「パパ、大好き! かっこいい!」とたびたび言ってもらえるようになったのも非常に嬉しい変化です。

「自己表現の場と方法」を多くの人が手にできるような世の中を目指したい

コンサルティングの仕事も好きですが、今後はアーティスト活動をもっと拡大していきたいと考えています。大学院で学んだ心理学の知識も活かして、ワークライフフィット、自分らしい人生の生き方、といったテーマで書籍を出版することも目標です。全国を講演で回り、ラジオ番組もいち地方のコミュニティ局限定ではなく、全国放送になっているのが夢。
これらは2020年までには達成していたいと思っています。
この夢を視野に入れて、自分なりの思想をFacebook内でテキストで書いたり、ライブ動画で配信したり、あるいは自分のラジオ番組の中で表現したりしているところです。
ひたすら働くばかりでなく、私に与えられているような「自己表現の場と方法」を、多くの人が手にできるような世の中を目指したいと考えています。
私は今、ライフシフトしたことで、イキイキとした明るい人生を歩んでいます。
自分の人生を自分で選び、楽しく、面白く生きること。これこそが、自分に課せられたもっとも深い責任だと思います。こんな仕事が上とか、良いとか、優れているとか、あるいは、こんな人生は下とか、悪いとか、劣っているとか、昔の誰かが勝手に決めた、そんな固定観念に惑わされることなく、みなさんもご一緒に、自由に、柔軟に、自分を信じて生きましょう。