PROFILE

蓮見 勇太(はすみ ゆうた)さん《No.26》

・Diversity & Inclusion Evangelist
・NPO法人GEWEL 理事
・米日カウンシル エンゲージメント委員会
・Global Ambassador for Change, RoundTable Global
ロンドンと東京を拠点として活動。1歳になる愛犬と世界を旅することも。
外資系グローバル企業にてアジア太平洋地区の人事のプロフェッショナルとしてキャリアを築くも、国境を越えて人と接する中で「海外で働きたい、そこで日本と海外の架け橋となり恩送りしたい」という思いが強くなり独立・移住。
「誰もが自分らしく”IKIGAI”のある世界を創ります」をモットーに地域・国や業種の垣根を越えて働き、ダイバーシティを活かしたビジネス、企業ブランディング、女性活躍推進、多様性を尊重する企業文化変革を他企業・団体と一緒に企画・実行している。
早稲田大学大学院 経営管理修士(MBA)修了。
座右の銘:Pay it Forward (恩送り)
影響を受けた映画:ファミリー・マン ある父の決断 https://g.co/kgs/4PgisW
また、日系アメリカ人のメンター・知人から「IKIGAI(生きがい)」「KANSHA(感謝)」「EN(縁)」を教えられ、大切にしている。

外資系グローバル企業にてアジア太平洋地区の人事のプロフェッショナルとしてキャリアを築いてきました。最後の約6年間はダイバーシティ&インクルージョン推進に従事し、日本&韓国地域の責任者も務めました。ダイバーシティ推進を活かした人材開発、ビジネス、企業ブランディング、女性活躍推進、働き方改革等にやりがいを見つけ充実していました。
やりがいを磨く、という意味で社会人大学院に行く機会にも恵まれ、ダイバーシティを学問的にも2年間研究しました。キャリアと学生生活を通し、何よりも国籍やバックグラウンド、時には業種を超えて人と働くことを学びました。同時にあうんの呼吸に頼ることなく言葉にこだわりYesもNoも意思表示し伝えていくということを身につけました。
この中で日本人男性×日英バイリンガル×ダイバーシティ推進という自分の価値を見出すことができました。

「海外で働きたい、日本と海外の架け橋となり恩送りしたい」という思いからのライフシフト

5年間で海外渡航を40回経験し、国境を越えて人と接する中で、次第に「海外で働きたい、そこで日本と海外の架け橋となり恩送りしたい」という思いが強くなりました。
幾度か組織の中でも海外転勤のチャンスに恵まれそうになったのですが、会社の業績の影響やその他の都合によりなくなりました。そのたびにしょげましたが、同時に組織に依存し夢を託している自分に嫌気がさしていました。
そして気づけば働き方改革を進めているはずの自分も、週3以上アメリカと電話会議、9 – 18時働き、家に帰って21 – 24時電話会議の生活でした。疲れれば疲れるほど大好きな人たちに会うのもおっくうになり、しまいには迷惑かけてしまうことも…の悪循環でした。
そこに最後背中を押してくれたのはメンターの存在でした。そわそわしていた自分へ「Yutaがあなたらしく海外で活躍している姿が想像できるよ!」と背中を押してくれました。また、同時にこれまで自分が仕事する中で築いてきたネットワークの方々から、「辞めるなら一緒に手伝って」と有難い声掛けをいただくことが増え、えいやと枠から抜け出る覚悟をすることができました。

現在はDiversity & Inclusion Evangelistとして「多様性にとどまらず多才性に富む組織づくりをデンドウ(伝道・電動)」することをミッションとして活動しています。これに合致する仕事、共感していただける方とであれば何でも一緒にやっていきます。
具体的に現在手がけていることは、
・ダイバーシティ推進全般や女性活躍、働き方改革にかかる講演・セミナー
・ダイバーシティ&インクルージョン推進の発信、ワークショップ・研修実施
・ダイバーシティ推進全般や女性活躍、働き方改革にかかる講演・セミナー
・日本と欧米の架け橋、ダイバーシティ、働き方改革のベストプラクティスの共有
・企業・団体へダイバーシティ&インクルージョン推進、経営理念や企業文化変革、企業ブランディングのアドバイス
・人事・タレントマネジメントのコンサルティング
・経営者・個人へのパーソナルブランドのデザイン、コーチング
などです。

地域・国や業種の垣根を越えて働ける、ワン!ダフルな生活

ライフシフトしてからは、自分らしく時間も場所も柔軟に働くことができるようになりましたし、それによって一緒に働く人や場所も柔軟になりました。
例えば、2017年11月はGEWELオープンフォーラムに登壇し、インクルージョン推進の講演を行いましたし、インクルージョンワシントンDCの会議に出席し、静岡県の美容室の皆さんと一緒に美容業界の働き方改革も行いました。

また、ロンドンでダイバーシティプロジェクトの打ち合わせ、東京にて企業の人事制度のアドバイスをし、また別の外資系企業イベントでは、女性活躍推進における男性チャンピオンの役割について講演も行いました。
「誰もが自分らしく”IKIGAI”のある世界を創ります」をモットーに地域・国や業種の垣根を越えて働けるようになりました。またこれまで忙しさを言い訳にしていましたが、そんなこともなくなり、友達や家族、愛犬と過ごす時間が圧倒的に増え、そこからつながる仕事も増えました!愛犬にも世界を見せてあげられ、ワン!ダフルな生活ができています。

Pay it forwardという価値観を大切に。そのために、まずは「自分らしく生きる」を世界中で実践

Evangelistとしてダイバーシティ=多様性にとどまらず、多才性の魅力をさらに広くデンドウ(伝道・電動)していきたいと考えています。日本と海外の架け橋となり、日本の両方の組織のシナジーに貢献できるような仕事のボリュームを増やしていきたいです。
特にヨーロッパ諸国からは働き方のヒントを多く得られそうです。
またPay it forwardという価値観を大切にしています。“恩送り”という意味で、人から受けた恩をその人に直接返すのではなく、周りの人や次の世代に返していくという意味だそうです。「人へ感謝すること、自分へ謙虚であることを忘れないこと」が祖母・母からの教えでもあります。人に恵まれ受けた恩を返すために、まずは「自分自身が自分らしく生きる」を世界中で実践し、生きづらさの解消や自分の価値を見出す、というエクササイズの方法を周りに届けることができることを目標としています。
あとは、自分の愛犬に少しでも多く世界を見せてあげたいです。今のところ日本、フランス、ベルギー、イギリス、オランダ、ドイツ、オーストリアを一緒に旅してきました。

“自分の価値”をかけ算することで、より大きな価値を提供できる

ライフシフトする中で、自分を軸に価値判断することが重要であると気づかされました。海外で人と話していると「Are you happy?」とよく聞かれます。日本語に直訳すると「あなたは幸せですか?」日本語でそんなこと聞かれたら何か裏の意味があるかと思ってしまいますが、欧米では日本よりも個の意見やアイデンティティが求められていると感じます。
日本にいるときは「男性は、女性はこうすべき」「親はこうあるべき」といったあるべき論に苛まれ、それに当てはまっていないと生きづらさや、時には罪悪感さえ感じていました。そこから抜け出す勇気をもって、自分の軸で「幸せ」や「充実」に従い行動することで、より多くの人へも同じ気持ちを届けられるかもしれないと実感しています。
あとは、そこから見えてきた“自分の価値”をかけ算することで、より大きな価値を提供できるといつも考えています。日本人男性はたくさんいるし、英語ができる人も、自分と同じバックグラウンドを持った人もたくさんいる。ただそれを掛け算すると、なかなかいない”レア人材”となり、それを必要としてくださる人が、またそこに何かを掛け算してくれる機会に恵まれます。日本を出れば日本人もマイノリティです。